パリ国立オペラ座バレエ「白鳥の湖」セ=ウン&ポール

オペラ座バレエ「白鳥の湖」ヌレエフ。セ=ウン・パク&ポール・マルク。

セウン、ブラーヴァ!前々回に見た時はピンと来なかったけれど、今回は、この役に最も必要な要素である腕が見事。

レティシア、マリ=アニエス、ミリアム、リュドミラには敵わないけど、十分満足できる腕の表情。

技術も素晴らしく、2幕のきれいなポワントでの長いエキリブル、3幕の前半全てドゥーブルのフエッテの安定感、重力少なめのたおやかな動き。全てがとても繊細できれい、上手だね〜。

2幕の存在感&表情が気持ち弱いのと、3幕の悪女っぷりが少し足りないけど、十分満足なオデット&オディール。

ポールは、少々手抜きがあるものの、持ち前の美しい跳躍系とエレガンスでなんとか体裁保ってる。演技は普通。パブロのロットバルト、前回の方がよかった。ちょっと演技が薄い気がする。オディールとの共犯性も少ない。

パ・ド・トロワは、揃ってガックリ、我慢の限界超えてる。どうしてこんな配役になるんだろう?もっと若い子たち抜擢して育ててほしい。知人の横の席のバレエ関係者は、顔を歪め頭を振ったそう。わかるわぁ。アントラクト中、大好きだったオペラ座元ダンサーのアレッシオと遭遇。

「アレッシオがパ・ド・トロワ踊ってくれればよかったのに・・」
「あはは、いい時代だったよね〜」

本当、本当に、いい時代だった・・。

3幕のソリストたちは皆それなりに悪くはない。白鳥たち、おっきい子たち、もっと頑張ってください。

セウン喝采の公演。年末は、いよいよ彼女の「パキータ」。プルミエールになった時にコンクールで踊ったパキータのグランド・ジュテに息を呑み、私は彼女の技術に惚れた。楽しみだなぁ、あれを観られるの♪


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2024年7月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。