11月の米大統領選は、ハリスのTVインタビューでの自爆もあり、トランプ優位に進んでいるようである。しかし、オクトーバー・サプライズ、再度の暗殺事件発生の可能性、投開票に於ける諸々の要素が結果を読み難くしている。それらも含めて筆者は従前と変わらず7:3でトランプに分があると見ている。
さて、仮にトランプが再選されると、習近平が選挙後の米国内の混乱に乗じて悲願である台湾併合に向け台湾有事を起す可能性が在る。軍事専門家によれば、中国人民解放軍にまだ台湾侵攻の準備が整っていないので当面は起こらないとの見方が大勢であるが、筆者は現下の国内経済危機で失いつつある求心力回復のため、海上封鎖なら起こし得ると見ている。
以下に、その1つのシナリオをシミュレーションとして提示する。
11/5 米大統領選投開票
11/6 トランプ当選ほぼ判明。トランプは勝利宣言
11/6 ハリス陣営は敗北を認めず。BLM、アンティファが米各地で暴動、放火、略奪、商業施設、各州議会等を襲撃。不法移民の一部も加わる
11/7 各州州兵、陸軍が出動。空軍他が待機
11/8 中国海軍が、米国内の混乱に平仄を合わせるように台湾を海上封鎖。投降を呼びかけ
11/9 バイデン政権は、ホットラインで習近平に海上封鎖を解くよう要請
11/9 トランプはプーチンに架電。ウクライナ戦争をロシア優位に停戦させる事を条件に、中国に圧力を掛ける事を要請
11/9 バイデンは内外の情勢を踏まえ、国家緊急事態を宣言し国民に向け演説。選挙結果の確定を停止する大統領令を発行。習近平には、米軍は出動しない事を条件に速やかに海上封鎖を解くよう再度要請。習近平は無視
11/9 米国は各地で内戦状態に突入
11/10 トランプが、国民に団結を呼び掛け。空軍他に対し暴動の鎮圧を要請。主要メディアは無視するも、イーロン・マスクのX等で拡散・・・・
その後の事は、米国民次第となる。なお、ハリス当選の際も米国内は混乱するだろうが、その場合には習近平は直後に台湾有事のリスクを冒す動機は弱く、じっくりと準備を進めて海上封鎖と武力侵攻の2つのオプションを用意してから進めると思われる。
筆者としては、第二次トランプ政権の下に中露疑似同盟に楔を打ってこれを破壊し、トランプ・プーチン ラインの実質的な米露同盟+αによる拡大中国包囲網でとっととアジアを平定して、返す刀で中東平定に向かってもらいたい。さもなくば、第三次世界大戦勃発の危機を押さえ難いと考える。
【追記】
翻って、日本では中国を牽制するため、岸田文雄が進めた「日本のNATO参加」や、石破茂の中国を包囲するのか仲間に入れるのか両刀使い?の「アジア版NATO」や、旧くは小沢一郎の「日米中正三角形論」等の構想があったが、何れも北側がスコーンと抜けており実効的な意味をなさない。実質的な日米露三国同盟や日米露印の四国協商で喰い込み、アジア安定の一翼を担うような構想力と胆力を備えたリーダーの出現を渇望する。