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千葉・鋸山から東京湾を見下ろす。
千葉を旅しています。次の日から仕事なのでそろそろ静岡に帰ろうと思うのですが、千葉県南部から陸路で静岡に向かうと東京経由となりとても大回り。東京湾アクアラインの起点となる木更津もここからは少し遠いです。
実はそれよりもっと距離も時間もショートカットできる帰り方があります。
それが東京湾フェリー。私が登った鋸山の麓、浜金谷と対岸の三浦半島、久里浜を結びます。
地図で確認しましょう。黄色の線が今回乗船する東京湾フェリー。千葉県南部から横須賀、鎌倉を経て西に向かうなら最短のルートです。東京回りがいかに遠回りかよくわかりますね。木更津に東京湾アクアラインはできましたがこの区間はまだフェリーの需要も高く、1日7~14往復しています。
浜金谷駅から徒歩8分ほどのところにあるフェリー乗り場から乗船。大人は片道1000円です。
おみやげ売り場も結構な品揃えです。私はもうすぐ船が出てしまいますので残念ですがここはスルーします。
客室はこんな感じ。席数も多くかなり寛げます。最前席の向こうは東京湾の景観が楽しめるようにガラス張りになっています。
ジュースやビールなどの飲み物やお菓子、お土産品をそろえた売店もありますので買い忘れがあった時はここで済ませることもできます。わたしは東京湾フェリーオリジナルの絵はがき(80円)を購入しました。
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こんなカウンター席もありました。
さて、わたしは40分をどこですごそうかと席を探していたんですが、この日はそこまで暑くもなく、気候も穏やかだったので気持ちのいい外で過ごすことにしました。天気のいい日はここは特等席はないでしょうか。
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至福のひととき。
14時25分。定刻通り船は浜金谷港を出発しました。千葉県を離れ、対岸の横須賀市久里浜港を目指します。
カモメが船を追うように飛んできます。風をうまく使ってゆったりと飛ぶのでわりとカメラに収めやすいです。
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貨物船兼砂利運搬船 第63さだ丸。
首都・東京が面する東京湾。船舶の航行数もとても多いです。貨物線や漁船など様々な種類の船とすれ違うので海を眺めていても飽きることがありません。
はるか向こうにかすむように京浜工業地帯も見ることができます。海側から横浜の景色を見ることはあまりなかったので新鮮ですね。
40分の船旅を終えて対岸の久里浜港に到着です。初めての東京湾フェリーの旅で写真を撮っていたらあっという間に到着してしまいました。
車も続々と船から出てきてそれぞれの行き先に向かっていきます。車に乗ってこなかった方は久里浜港からバスで京急久里浜駅まで向かうことができます。
が、わたしは久里浜の町を楽しみたいと歩いて駅まで向かうことにしました。早速目にしたのは「ペリー」の文字。あれ、ペリーって浦賀じゃなかったっけ?
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ペリー公園内にあるペリー記念館。久里浜も結構ペリー推し。
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ペリーがやってきた時の状況を模型で展示しています。
あまり知られていませんが、久里浜はペリーが米国から開国を求める国書をもって上陸した場所。その翌年に日米和親条約が結ばれて日本は開国をしています。ペリーが最初に日本にやってきたのは1853年7月9日で浦賀沖に停泊。その後14日に上陸をしたのがここ、久里浜でした。
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ペリーが上陸したことを示す記念碑もここにあります。
さて、ここから歩いてJR久里浜駅に向かったのですが、途中面白いものを見かけました。イオンと同居する自動車学校。イオンの上階2フロアが自動車学校になっています。教習車の入り口とイオンの来客用駐車場が隣り合わせになっているのがユニークです。
イオン周辺を上から見た地図がコチラ。イオンの屋上に自動車学校のコースがあります。土地のない首都圏ならではのユニークな立地ですね。
「尻こすり坂」というユニークな名前の坂を過ぎれば京急久里浜駅。こちらは京急ショッピングセンターも入り立派な建物で駅もかなり賑やかなんですが、
その駅裏にぽつんとあるJR久里浜駅はかなりローカル感漂う駅です。横須賀市は京急がメインの移動手段となっており、JRはローカル線のような寂しい扱いです。横須賀線って名前までついているのに。。。
今回は東京湾フェリーを使って千葉県南部から三浦半島の横須賀市久里浜までの旅をご紹介しました。アクアラインはあってもまだまだ南総方面の旅には便利な足となっている東京湾フェリー。普段することがない船旅も楽しめるので旅のスパイスにも最適だと思います。ぜひ一度乗って東京湾の旅を楽しんでみてください。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年10月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。