治安悪化を心配する日本人が欧州から学ぶべき強盗から身を守る方法

このところ首都圏では高齢者や一人暮らしの人を狙った強盗事件が連続しているが、治安の悪化を感じている方も多いでしょう。

このようなニュースを耳にするたびに思うのが日本の住宅や学校会社などが、もっと強固な物理的なセキュリティ対策を実施していたら事件が防げたのにと思うのです。

私の近著『世界のニュースを日本人は何も知らない5』でも解説していますが、北米や欧州は日本よりもはるかに治安が悪いのでセキュリティ対策がはるかに発展しています。

実は意外なのですが欧州も治安が悪いところはかなり多く、アメリカレベルとまでは行きませんがセキュリティ対策にはかなりのお金と手間を使っています。

Peter Carruthers/iStock

日本の方々はセキュリティ対策というとすぐに監視カメラを思い浮かべるかもしれませんが、アメリカや欧州で最もお金をかけている部分はそこではありません。

監視カメラがあっても強盗は覆面をしていることが多いですし、ある場所をだいたい把握しているので破壊してしまうことが多いのです。したがってある程度の防御にはなりますが安全を確保する絶対的な対策とはなり得ません。

命を守る上で最も重要なのが物理的なセキュリティ対策です。

具体的に言うと、侵入者が建物の中に入ることができないような対策を行うということです。

まず重要なポイントが侵入口となる玄関や裏口のドアで、実は欧州の住宅はここにかなりのお金をかけています。

鋼鉄製の分厚いドアを普通のデザイン性の高いドアのように偽装して入れてあったりします。

値段の高いものは斧や銃でもぶち破れないようになっています。ある程度お金がある家庭はそのようなものを入れています。

次に鍵ですがこれは日本でも最近普及しているディンプルキーのさらに安全性の高いものを入れています。キーは簡単にコピーすることができません。

しかも玄関や裏口から家に入る場合鍵は1つではなく2つとが3つ必要な場合があります。

窓も重要なポイントで、イギリスの場合はこれが非常によく発達していて、一般住宅でも特殊ガラスを使用した強固な二重窓が入っています。

これはハンマーや刃物ではぶち抜けない仕様になっています。

窓枠も日本では見かけないほど分厚く強固な金属製で、各窓に鍵がついています。

開けることができる窓は小さく、換気用に開けても大人が通り抜けられないサイズです。そこにさらに一つひとつセンサーをつけます。

注意深い家庭だとそのような窓の内側に斧で破壊することができない鋼鉄製のブラインドをつけていることがあります。

さらに注意深い家だと夜間は窓の外側を鋼鉄製のシャッターで保護したり、刑務所のような鉄格子で覆うこともあります。

マンションなどの集合住宅の場合はマンションの敷地内に入るのにゲートを通らねばなりませんが、これは非常に高さがあって登ることができないようになっています。ゲート自体も太い鉄格子で作られています。

また住宅の外壁も非常に強固なレンガやコンクリートでできています。ここに穴を開けるのは非常に大変で斧やドリルで破壊して侵入することができません。

日本ではこのようなセキュリティ対策が施された住宅が設計の段階から存在せず、また一般住宅に使用されている素材も欧州に比べると非常にヤワなものが多いので私は日本に滞在すると不安を覚えることが少なくありません。

日本の方は住宅を選ぶ際に利便性やスーパーに近いなどといったこと、地域のブランドイメージや建物の見た目ばかり優先しますが、命ほど大事なものはありません。

住居を選ぶ際には安全性を優先してください。

 

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