日本でも外国人移民が増えてきましたが、移民としてやってくる人々は年齢が若い人が多く日本で子供を持つ人は少なくありません。また子供を連れて移民してくる人もかなりいるのです。
しかし日本ではそういった移民の子供へのサポートがまだまだ不十分です。
左翼の人々はアメリカや欧州は外国人児童に対する言語の指導や生活訓練などが整っており、外国人の受け入れが十分だと言い張っている人がいるのですが、実際に海外に住んでみるとこれはかなり違うということがわかります。
まず基本的に北米も欧州も先進国というのは日本よりもはるかに階級社会であり、上の階級とそれ以下がプッツリと分かれています。2024年12月10日発売の私の新作書籍『世界のニュースを日本人は何も知らない6』でも実態を取り上げています。
進学校は主に上の階級に属しますが、なんだかんだ言って先進国では日本と同じく進学実績が優れているのが私立の学校です。
日本の方のイメージでは公立の学校が主な欧州であっても実はエリート層が通うのは私立です。
公的なサービスが整っているイメージのフィンランドでさえ近年は私立の学校が人気です。
しかしこういった学校は子供が高い実績を出すことを期待しているので、基本的に現地の言葉が相当高いレベルでできる生徒以外は入学が許されません。私立の学校なので様々な入学の条件を設定することが可能です。
お金を稼ぐのが目的のレベルが微妙なところは外国人を入れますが、進学校は基本的に現地で育っていない生徒は拒否します。当然外国人児童への支援など実際はほぼ皆無。試験に次ぐ試験で成績不良の学生はどんどん振り落とされていきます。
一方公立の学校は外国人労働者の子供が来ても入学を拒否することは基本的にできません。これは差別禁止法があるためです。
ところが日本と同じく高齢化が進み、国の財政は真っ赤っかの国だらけですから公教育のレベルは年々下がる一方です。
とにかくお金がないので外国人へのサポートも実は大したことがなく、支援がそこそこ恵まれているのは税収が高い地区とか町になります。
そのような地区や街は不動産価格が高いので、移民の多くを占める低賃金の外国人労働者は住むことができないのです。したがって言語的、文化的なハンディがある外国人労働者の子供は手厚い支援を受けることができません。
外国人が多いイギリスであっても、英語が不得手な外国人児童には手厚い支援があるわけではありません。
予算がないので障害がある児童への支援すら十分ではないのです。私の知り合いには子供にはかなり重めの知的障害があるのにも関わらず、市役所が正常だと言い張るので学校での十分な指導が受けられていない人がいます。外国人の児童への言語や生活指導も想像するまでもありません。
その上外国人児童向けの特別支援があっても、児童が自分で学ばなければ語学力も学力も上がりません。当然宿題もあります。普段の授業も宿題が結構あるので、とにかく家庭でのサポートがあることが前提になっています。
しかし子供にやる気がない場合はどうしようもありません。それに両親が外国人で現地の言葉があまりわからない場合、子どもの宿題すら見ることができません。出稼ぎの場合は仕事が多忙なのでそんな余裕もありません。
結果子供は放置されてしまい、言語発達は遅れ、学習全体も落ちこぼれるようになります。
国語も数学も理科の歴史も全て現地語で学ばなければなりません。その他に普段の勉強の宿題や試験もあるわけですから、外国人生徒は相当な学力と気力がなければこなしていくことは無理なのです。
厳しい条件の中で努力を継続できるのは、児童自身と保護者に相当なやる気と上昇志向があり、さらに学業に向いた外国人児童だけになります。
したがって学校や自治体がいくら支援をしても、家庭で学習に取り組む余裕がなかったり、保護者の支援がない場合は難しいのです。
言語はすべての学びの基本なので、現地語が身につかない外国人児童は、移住先の国で取り残されていくことになります。
このような落ちこぼれてしまう外国人児童は、移民の多い先進国ではどこでも大問題です。
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