中国で日本人学校の生徒が殺害されてしまうという凄惨な事件が起きてしばらくになりますが、この事件が思ったほど取り上げられなかったことに私は大変な驚きを感じています。
この事件は明らかに日本人学校の生徒をターゲットにしたもので、北米や欧州の感覚であれば明らかに国籍や人種を狙った凶悪犯罪であったということが言えます。
他の先進国であれば駐在員や学童の即時帰国まで検討するはずです。中国の治安が悪化する中でこのような事件がもっと大規模なテロなどにエスカレートする可能性があるからです。
さてこのような中でどうやったら日本人は自分の身の安全を確保することができるか。
私はここ30年近く日本と海外を往復して生活してきましたが、その中で学んだのは日本人というのはとにかく他の国ではターゲットにされやすい国籍であるということです。
なぜなら他の国の犯罪者や不特定多数の人々というのは、日本人は小柄で気性おとなしいために反撃してこないということをよく知っているからです。
また日本人の大半は経済移民ではなく駐在員や留学生、家族の事情で引っ越してきた人や旅行者などで、現地では数が少なく親族と移民している人は少ないためにバックがないということも知られています。
つまり攻撃しても反撃してくる親戚や身内がいないということです。リスクの低い簡単なターゲットです。
このような状況の中で日本人が身を守るのに最も重要なことは、日本人であると悟られないことです。
つまり不特定多数がいる場や移動中、公の場などでは極力日本人であると悟られないようにするのです。
日本語を話さないようにしたり、日本人だと悟られないようなファッションにする、日本でしか売っていないような目立つものを持たないということが非常に重要です。
日本の人はあまり意識していませんが日本で売っている文房具やグッズカバンファッションなどは実はデザインや色合いが独特で海外ではとても目立つことが多いのです。
さらに実は日本人の体つきや顔つき雰囲気というのも非常に独自なものがあるので、他のアジア人とは違うということがすぐにわかってしまいます。
そこで防御する方法として帽子をかぶったりサングラスをする、現地の店で買った服を着て現地人になじむということが非常に重要です。
とにかく目立たないことが大事です。
また国際ニュースや政治リスクを分析した報告書、政治経済分析、などの最新のデータを普段から細かくチェックしておき、その土地の歴史をよく学んでおくことも大変重要です。
さらにその国のテレビ番組や映画などに登場する日本人や東洋人のキャラクターや描写の仕方もよく学んでおきましょう。
これらによって、日本人に対する感情や意識を把握することができます。日本人だけではなく東洋人全般に対する意識も知っておくことも重要です。
反日的な感情がある土地というのもかなりありますから、仕事などでどうしてもそのような土地に行かなければならない場合は、非友好的な人々がいるということを事前に察知しておくことができます。
例えば中国の場合はネットの世界では膨大な反日コンテンツが溢れており、日本人に危害を加えるなどといった発言をしているユーザーも少なくありません。
さらにテレビではかなり昔から反日ドラマが流されています。実は私が学生時代に中国に滞在していた時もそのようなドラマが流れていました。教育レベルが高い中国人の多くはそんなものには興味を持っていませんでしたが、情報が限られた地域の人々はそのようなドラマを鵜呑みにしてしまいます。日本兵や日本の一般の人が狡猾な人々として描かれ、凄惨な形で殺害されるシーンも少なくありません。
このようなコンテンツが存在することを知っていたら、中国人の中にはかなり反日的な考え方を持った人も多いのだろうという予測が可能です。中国に赴任するリスクも想像するまでもないでしょう。
このような海外における対日感情をチェックする方法は、2023年12月に発売された私の書籍『世界のニュースを日本人は何も知らない5』に明記しましたので、詳しく知りたい方はお手にとってみてください。
また2024年12月に発売になる『世界のニュースを日本人は何も知らない6』では中国の大不況や治安の悪化などを詳しく解説しています。
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