ロシア・ウクライナ戦争の終結を選挙公約として掲げていたトランプ次期大統領は、ウクライナ・ロシア担当特使を設置し、新設された役職に退役軍人のキース・ケロッグ氏を指名することを発表しました。
トランプ大統領、ウクライナとロシアの特使に将軍@generalkelloggを指名すると発表
ケロッグ氏はXにて自身の起用を発表したトランプ氏に感謝の意を伝え、特使として「力を通じて平和を確保する」ための「努力」を行う意向を発表しました。
@realDonaldTrump大統領補佐官およびウクライナとロシアの特使に任命されたことを光栄に思います。トランプ大統領のために働けたことは私の人生における栄誉であり、アメリカの利益を守りながら力を通じて平和を確保するため、たゆまぬ努力を続けていくことを楽しみにしています。私はそれにふさわしい献身と献身の準備ができています。
ケロッグ氏が意味する「力」というのは「アメリカの軍事力」を意味します。同氏は過去に発表した報告書の中で米国によるウクライナへの軍事援助を強化することで、ウクライナをロシアとの交渉のテーブルに着かせることを提言しています。
しかし、ウクライナが停戦要求に応じない場合が、軍事援助を打ち切ることも厭わないとも主張しています。
キース・ケロッグ氏は4月に、米国が軍事援助をロシア政府との和平交渉を推進するための手段として利用すべきだと主張する研究論文を共同執筆した。
ケロッグ氏が中心となり、選挙期間中に「領土割譲案」なるものがトランプ氏に提示されたとの報道がありました。ケロッグ氏の案が現実となった場合、ロシアのウクライナ領土の占領を既成事実化することになりますが、ウクライナに戦闘を辞めさせる「アメ」として軍事援助が継続されます。
ウクライナ政府は、ロシアとの衝突を恐れ高性能の兵器の供与を渋るバイデン政権に対して苛立ちを覚えていました。そのため、ケロッグ氏のような積極的にウクライナへの軍事支援を主張する人々が所属している共和党が大統領選で勝利することを期待する人々もいたようです。
書類上、ドナルド・トランプのホワイトハウス復帰はウクライナにとって最悪の悪夢のように見える。しかし、驚くべきことに、同国の政府と軍のトップの多くは彼の勝利を望んでいた
トランプ氏はウクライナの領土割譲につながる即時停戦を唱えてきましたが、バイデン政権よりも強硬な軍事支援を主張していた時もあります。
「勝利」のためにウクライナは第二次トランプ政権に賭けるべきではないでしょうか?