11月22日金曜日。大阪で研修会がありました。研修は夕方で終了し、このまま静岡に帰ってもよかったんですが翌日は土曜日。せっかく大阪まで来たんだしということで逆方向に電車に乗り岡山までやってきました。在来線で来たので岡山に着いたときにはもう夜。でもこの時期、夜だけしか見られないイベントがあるのです。
岡山駅から20分ほど歩いてやってきたのは後楽園。岡山城の前に広がる庭園で日本三名園のひとつです。こちらを訪ねるのは2度目ですが前回訪ねたのは昼間。夜来たのは初めてです。この時期、後楽園では「秋の幻想庭園」という催しが行われており、庭園を番傘などで飾ってライトアップして人母との目を楽しませてくれているのです。
岡山城側の門から堀を渡って後楽園に入ります。灯りに照らされたススキに招かれて入場。向こうの芝生は番傘で彩られています。
延養邸も灯りがともされて何とも幻想的な光景です。実際江戸期にこのような光景は見られなかったでしょうが、タイムスリップした気持ちになってしまいます。
延養亭は1686年に藩主岡田綱政が後楽園の造成に着手した際、主要な建物として建てられました。ここから眺める沢の池などの眺望は見事で賓客の接待に使われたといいます。
さて、秋といえばやはり紅葉。幻想庭園ではもちろんライトアップされた紅葉も楽しむことができます。
庭園の向こうに灯火によって島のように浮かび上がる紅葉。思わず足がそちらの方に向いてしまいます。
近くに寄ってみれば燃えるように赤く染まった紅葉の姿が。暗闇に紅葉は一層その赤さが際立って見えます。
ちがった角度からは紅葉の向こうに聳え立つ岡山城の姿も見ることができます。真っ赤に染まった葉に囲まれる城の姿はこの季節しか見ることができません。
園内の沢の池に浮かぶ中の島も秋の装いになっていました。この日は微風で水面がやや揺れていましたが、風がない日だと水鏡がより一層映えてはっきりと見えるようです。
こちらは先ほどとは違う島。こちらの方が波が穏やかでリフレクションがややはっきりして見えます。
ぐるっと一周してきた最後にこちらの山に登ろうと思います。小高くつくられた丘の上からは延養亭など後楽園の全景を見ることができます。
晩秋の後楽園を光で彩った幻想庭園。和の魅力を引き出す光の演出に心が和まされました。ことしの開園は11月24日で終わってしまいましたが、ゴールデンウイークごろには春の、8月には夏の幻想庭園が行われるそうで、また違った光景を見に夜の後楽園を訪ねてみたいと思いました。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年12月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。