出口里佐です。
ぶらり欧州の旅:ローマ編の続き、ドイツ前編(フランクフルト)です。
(前回:ぶらり欧州の旅:ローマ編 ミシュラン一つ星・グラスでディナーを満喫)
ローマ・フィミウチーノ空港ラウンジ
ローマのフィミウチーノ空港からフランクフルト空港に向かったのは、ルフトハンザ航空。半年ほど前に航空券を予約していたので、ビジネスクラスだったのを自分でも忘れていました。自分で予約してお金も払っていますが、不思議にラッキーな気持ち。
早朝7時30分、ローマ・テルミニ駅からレオナルド・エクスプレスでフィミウチーノ空港に到着して、まだ朝ごはんを食べていなかったので、ビジネスクラスのラウンジに向かいました。
空港内の案内表示が目立たないため、場所が分からなくて、これから数時間後に利用する搭乗口のスタッフ(中年の男性)に聞いたら、面倒くさそうに教えてくれました。イタリアではこれが普通、慣れました。グラッツェと御礼を言って、ラウンジへ。
それに比べて、ラウンジの受付のスタッフは、とても親切。若い男性でしたが、ちょっと混雑しているので、席が見つけにくいかもと言って、席を一緒に探してくれました。
席に着くと、近くにいた方が、私の目の前の共有テーブルに、前の人が使用したと思われる食器やカトラリーをどっさり置いたので、ちょっと嫌な気分でしたが、そのうちスタッフさんが片付けてくれるだろうと我慢。混雑している時は仕方ないですね。
朝食を取りにブッフェに行きました。ここはまだイタリアなので、甘いクロワッサンが並んでいました。取ろうとしたとき、隣に立っていた紳士が、クロワッサンが入っている容器の透明な蓋をさっと上げて待っていてくれました。そのさりげない心遣いに感動しました。
心に余裕があると、見知らぬ人にも優しくなれるんですね。私も他の人に優しく接しようと思いました。日本ではこうした心遣いをされることはあまりないので、とても嬉しかったです。
ブッフェには、フレッシュな野菜、卵料理、ソーセージやベーコン、オレンジジュース、デトックスウォーター、コーヒーマシンなども揃っていて、味もまあまあ。どこかのホテルの朝食ブッフェと変わらない品揃えでした。
ルフトハンザ航空のビジネスクラス
ローマからフランクフルトまでは数時間のフライトでしたが、ランチが提供されました。ビジネスクラスだったせいか、料理はとても美味しかったです。
その際、グラスに注がれたお水をうっかり自分のズボンの膝にこぼしてしまいました。すると、通路を挟んだ隣の紳士(さっきの方とは別の方だと思います)が、自分の紙ナプキンを素早く渡してくれて、その親切な行動にとても感謝しました。
その後、客室乗務員の方に紙ナプキンを多めにいただき、それをその紳士に「サンキュー」と言いながらお返ししました。小さなやり取りでしたが、温かい気持ちになりました。
ルフトハンザでは、降りる直前にチョコレートが配られました。ネットでは「サービスが良くない」という口コミを見ていたのですが、ビジネスクラスだったからか、とても良い印象でした。
ヨーロッパ内の短距離便でビジネスクラスは少し贅沢に感じるかもしれませんが、ラウンジが利用できてサービスも快適です。さらに、国際線ほどエコノミークラスとの価格差が大きくないのも魅力です。ちょっとした贅沢を試してみたい方にはおすすめです。
フランクフルト空港第1ターミナルは、乗り換えに2時間半は余裕を
フランクフルト空港のターミナルはとても広く、到着後も移動に時間がかかりました。飛行機が定刻に着いてからバスで空港建物に移動するのに約20分、そこからさらに20分ほどかけて預けた荷物をピックアップする場所へ。ディスプレイを見ると、荷物が出てくるまでさらに50分待ちと表示されていました。
その後、フランクフルト空港駅からフランクフルト中央駅経由でバーデンバーデンに移動する予定でしたが、乗り換えに確保していたのは1時間半のみ。一等車のチケットが無駄になりそうで、ショックを受けました。計画が甘かったことを痛感しました。
こんなことなら、スーツケースを預けず機内持ち込みにすれば良かったと後悔しましたが、後の祭りです。
今回の教訓は、フランクフルト空港での乗り換えは最低でも2時間半から3時間の余裕を持つこと、もしくはスーツケースは預けないこと。この経験を次に活かしたいと思います。
今回の旅の最大のハプニング発生!
1時間後にようやくスーツケースをピックアップし、長旅の電車に備えてトイレに寄ってから電車乗り場へ向かいました。ところが、トイレのフックに斜めかけバッグを忘れたことに気づきました。そのバッグには財布、パスポート、スマホなど、大事なものがすべて入っていました。
慌てて全力疾走で引き返しましたが、空港のゲートは一度出ると戻れません。ちょうど出てきた人に紛れて再び中へ入ると、警報が鳴り響き、周囲が騒然としました。それでも構わずトイレへ走り、心当たりの個室をチェック。2つ目で無事にバッグを発見しました。ほっとしたものの、周りの人に驚かれた様子だったので「ノープロブレム!」と伝え、別のゲートから静かに出ました。
今回の旅で最大のトラブルでした。スーツケースを受け取って気が緩み、注意力が散漫になっていたのです。
この経験から得た教訓は、「トイレではバッグを身体から絶対に離さないこと」。特にフックは危険です。それでもバッグが無事で本当にラッキーでした。もし失くしていたら旅は終わっていたでしょう。今思い出しても冷や汗が出ます。
フランクフルト中央駅のDBラウンジ
バーデンバーデンに向かうため、まずフランクフルト中央駅へ移動しました。次の直通電車が来るまで約2時間、DB(ドイツ鉄道)のラウンジで過ごしました。
一等車予約者限定の特典で利用でき、コーヒーや紅茶程度のサービスですが、コンセントやデスクが使えるのが便利です。治安が悪いと言われるフランクフルト中央駅内では、ラウンジはまさにオアシスのような場所。乗り遅れたおかげで、この設備の恩恵に預かることができました。特にビジネスマンにはありがたい施設です。
ラウンジに向かう途中、ジプシーの物乞いに遭いました。空のミルク瓶を見せながら「お金をください」と頼む女性が2人も現れ、代わる代わる声をかけてきました。
最初の女性に5ユーロ渡したところ、それを見ていたらしく、次の女性にも狙われたようです。2人目にはきっぱり断り、「働いてくださいね」と伝えて立ち去りました。
スリではなかったものの、かなりしつこい印象です。皆さんもご注意ください。
(ドイツ後編バーデンバーデンに続く)