2024年11月米国雇用統計予測:失業率4.1%

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2024年12月6日(金)に発表される2024年11月の米国失業率は4.1%になるのではないだろうか。細かくは2024年10月の失業率4.145%からわずかに低下し、4.1%前後(=4.1%)になるという予測をメインシナリオに据える。

雇用の基調を見る限り、減速傾向が見られるものの、失業率が大幅に上昇する気配も見えない。2024年10月の失業率4.145%は4.2%間近ということもあり、4.2%になることはあるかもしれないが、4.0%に低下することは過去の統計データを見る限りないように映る。

現状をデータで振り返る。

2024年10月の失業率は、2024年9月と同じ4.1%であったが、細かく見ると、2024年9月の4.051%から10月は4.145%へと0.094%(≒0.1%)上昇し、2023年以降は上昇基調が続いている。

現在の4.1%という水準は歴史的には極めて低水準である一方、米国の失業率は上昇を始めると急上昇して景気後退に突入するする傾向が高いため、それを危惧する声も多い。

米国失業率推移
4.1%で線を挿入。背景が灰色の個所は米国の景気後退期。

新規失業保険申請件数はおおむね横ばいが続いている。

一方、失業保険継続受給者数は右肩上がりで推移している。

新規失業保険申請件数がおおむね横ばいである一方、失業保険継続受給者数が増加傾向にあるということは失業が長期化していることである。

特に中期(15-26週以上)、長期(27週以上)の失業者の上昇が目立つ。

米国の失業者において、失業期間が5週未満、5-14週、15-26週、27週以上という4カテゴリが存在し、
2024年10月時点で、15週以上の失業者の割合が40.4%となっている(15-26週が17.5%、27週以上が22.9%)。
なお、27週以上の長期失業者は原則失業保険の受給対象“外”となるため、現在約5人に1人が失業保険受給資格を得ていない。

当然のことながら、失業保険継続受給者数と失業率は関連性が高いため、失業保険継続受給者数が増え続ける限り、失業期間が長期化していることも相まって、失業率は上昇していく。

上記失業保険継続受給者数は12日を含む週のデータを使用。

コロナ後に回復基調を強めた労働参加率も今は勢いを失っており、コロナ前の63%台へ戻ることはなさそうだ。労働参加率が低下に転じた場合でも、それが景気後退を意味するものではないが、雇用が強くない一つの論拠と言える。

2024年10月の非農業部門雇用者数は1.2万人増と極めて低い数字であったため、2024年11月の雇用統計ではこの非農業部門雇用者数にも注目が集まるだろう。但し、こちらも足元の新規失業保険申請件数は悪くない数字が続いていることからも、11月時点でマイナスに転じることはないように思う。

とはいえ、2024年10月の非農業部門雇用者数の民間部門ではついに前月比が2020年12月以来、初めてマイナスに転じている(民間部門と政府部門の合計が非農業部門雇用者数となる)。政府部門が雇用のけん引役にはなれないことを考えると、決して状況は良くない。

非農業部門雇用者数及びその内訳である民間部門・政府部門の前月比を3カ月及び6カ月移動平均でみても、明らかに下降トレンドだ。

非農業部門雇用者数が前月比でマイナスに転じていくと景気後退が始まる。

背景が灰色の個所は米国の景気後退期

以下は非農業部門雇用者数前月比3ヶ月移動平均である。こちらはまだ幾分ゆとりがありそうだ。

背景が灰色の個所は米国の景気後退期

雇用の減速が続いているのは明らかだが、ここで踏ん張ることができるか、しばらくの間、予断を許さない状況が続くだろう。