令和6年12月3日深夜、衝撃的なニュースがネット上に流れ、夜中に起きていた人だけが、この事件の経過観察をしていたのだが、夜明け前には終結した。テレビも新聞も、今回の事件を報じたのは速報ではなく、定時のニュースだけ。一部メディアが速報とライブ映像を報じたが、多くの人は、朝起きた後、何だか訳わからんことが韓国で起きたと思ったに違いない。
韓国大統領が非常戒厳を解除 宣言から数時間、軍も撤収https://t.co/8C5qYCiV6f
韓国の尹錫悦大統領は4日未明(日本時間同)、3日夜に宣布した非常戒厳を「解除する」と表明した。
尹氏は国会などに展開していた「軍を撤収させた」とも説明。— 産経ニュース (@Sankei_news) December 3, 2024
簡単に言えば、足元が弱い尹錫悦大統領政権が、野党を黙らせ強権で政権維持を狙う目的で、大統領の強権を発動してクーデターを目論んだが、与野党の反発とソウル市民の反発を買っただけの事件だ。
昨夜遅くに尹錫悦大統領は戒厳令を発布し、国会機能と報道統制を敷こうと画策、ところが、思った10倍、反発され、しかも国会で大統領弾劾の動きが加速し戒厳令を取り消せと決議されてしまったので、尹錫悦大統領は潔く戒厳令をわずか6時間で引っ込めた。
戒厳令発布後は大統領の直接権限となるため、軍が出動し、国会機能を停止させる筈だったのだが、ソウル市民が大挙して国会に押し寄せ、また革新系の野党議員を筆頭に国会議員も国会で緊急の動議を出し、大統領の非常戒厳の解除法案を提出、可決された。
尹錫悦大統領は、度重なる野党主導による尹政権の中枢に対しての弾劾や法案提出に関しての不満をぶちまけ、国会が機能不全に陥っていること、また自身の支持率の低下などもあって、たまりかねて今回の戒厳令発布に至ったと考えられている。強権が発動できる状態になれば、国会や警察、軍部、マスコミをコントロール出来ると踏んだのだろうが、そうはならなかった。
ただ、あくまで前提として考慮しておかなければいけないのは、朝鮮半島は休戦状態であり、表向き、連合国と対峙している朝鮮労働党のトップである金正恩が、朝鮮半島の統治者ということになっている。大韓民国は北朝鮮の側から見れば、反体制がでっち上げた連合国の傀儡政府ということになっている。休戦状態である以上、大韓民国政府は、北朝鮮よりの政治家や支持者は敵対する相手の支持者ということになっている。
大韓民国は国連(連合国)で承認を得た主権国家である以上、休戦状態の朝鮮半島において、常に戦時体制を敷くことは必ずしも間違ってはいない。
韓国憲法には国会議員過半数による戒厳令解除規定があったからこそ、今回早期の収束が図られた。日本にも権力統制型の緊急事態条項を早急に憲法に導入すべきだ。国民・維新・有志の会でまとめてある緊急事態条項には、国会による宣言解除規定も入っている。緊急事態条項が危険なのではなく、まともな緊…
— 菅野志桜里 (@ShioriYamao) December 3, 2024
元衆議院議員の菅野志桜里氏は、今回の大統領の暴走に関して、韓国の憲法の中に戒厳令解除規定があったことによって、韓国国会で戒厳令解除法案が提出可決されたことに触れ、憲法の緊急事態条項には「権力統制型」と「権力拡張型」があると触れ、今回の事件の場合、「権力統制型」緊急事態条項が含まれる韓国憲法が機能したと整理している。
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続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。