黒坂岳央です。
筆者は仕事で外国人ビジネスマンとコミュニケーションを取る機会がある。もちろん、国籍によっても傾向が異なるのだが、彼らとやり取りするたびに感じることは「とにかく必死さがすさまじい」ということである。
ビジネス交渉においても日本人同士であれば「まあそれでは今回はなかったことに」となりそうな流れでも、「じゃあこれならどうか?」と別角度からの提案が入り、なんとか契約にこぎつけようとする必死さを感じる。
この他、総じて日本人とのやり取りでは感じない「強烈なハングリー精神」が伝わってくる場面が少なくないのだ。おそらく、遺伝子の違いだけではない。考えられるのは「意識」の違いだろう。
日本でハングリー精神を失わない方法はあるのか? 筆者は下記の2つの意識をする必要があると考えている。
今の仕事はいつか消える
自分で言うのははばかられるが、筆者は元々かなりハングリーなタイプだと思っている。
経済的に厳しい状況から人生を良くするために可能性のある施策をリスト化し、上から順番に総当たりで試して切り開いていった。現在は経済的に困窮している状況ではないが、今後も慢心するつもりは一切ない。自分自身を慢心せず、ハングリーであり続けてくれるものがある。それは「今ある仕事はいつか必ず消える」という考えである。
仕事が軌道に乗ると人は徐々にその状況が「当たり前」という感覚になる。新卒では必死にいい仕事を探していた人も、仕事に慣れると楽を求めて手を抜き始める人は少なくない。また、独立をした時は必死に粗利を作るために土日祝、年末年始を返上してハードワークしていた人も、売上が安定すると徐々に手を抜く人もいる。
しかし、筆者はそうは考えない。今やっているすべての仕事は必ず、いつか終わると考えているからだ。時代の変化はあまりにも早い。今は仕事をさせてもらっていても、自分の実力が変化に取り残されれば価値の提供が出来なくなる日がやってくる。
もちろん、そうならないために日々努力をしてマーケットに価値提供をし続けるように意識しているが、「今の仕事はいつかオワコン化する」くらい厳しく思っておくくらいでちょうどいいと思っている。そう考えれば、とにかく1日でもビジネスの寿命を延命するために仕事をなめず、必死に頑張れるからだ。
老化に負けない高い生産性
誰しも年を取ることで体力がなくなっていく。今年に入ってから毎日運動習慣を作って体力増強に励んで今のところ何も困っていないが、どれだけ努力をしても誰も年齢には勝てない。運動をしても10年、20年経てば誰も現在の自分ほど働けなくなる日がやってくる。
もちろん、年を取るとともに仕事の生産性が高まるならなんの問題もない。自分自身はここを非常に強く意識しており、1時間あたりに作れる付加価値はAIの活用やスキルアップで増やし続けるようにして来た。
逆に年を取っても同じことを繰り返しているだけであれば、加齢とともに若い頃に比べて付加価値が劣化していく。年を取ればどうやっても働ける時間や手数は落ちてくるからだ。
それだけでは終わらない。現在は世界的に人口減少が本格化している。インドもアメリカでも出生数は近年急落しており、内需主導型経済の日本もビジネスのパイは確実に減少していくことは確実だ。そうなるとこれまでと同じ事を続けるだけでは確実に売上は落ちていく。すでに日本の小売や菓子メーカー、ゲームメーカーを始め、海外売上比率を高めるために企業は努力をしている。個人レベルでも生き残りの努力をする必要があるだろう。
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ハングリー精神というのは意識の問題である。「なあにいざとなればベーシックインカムが始まるだろう」とか「生活保護を受給する方が楽ができる」と高をくくっていると、いよいよ財源が厳しくなりセーフティーネットのハードルが上がれば詰む。そこを意識することで国に頼るより、個人レベルで豊かさを追求しなければというハングリー精神が生まれる。
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