韓国の尹錫悦大統領が逮捕へ:現職大統領の逮捕は初

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、内乱罪と職権乱用の疑いで捜査を受ける中、高官犯罪捜査庁(高捜庁)と警察の合同捜査本部は、ソウル西部地裁に拘束令状を請求しました。現職大統領に対する拘束令状の請求は韓国憲政史上初めてとなり、尹大統領がこれまで3度にわたる出頭要請を拒否したため、請求に踏み切ったとされています。

尹大統領は戒厳令を宣布し、国会の統制を試みましたが、国会の解除決議に従い翌日に戒厳令を解除しました。この行為が職権乱用による憲法秩序の乱れとみなされ、国会では弾劾訴追案が可決されました。これにより尹大統領は職務を停止されています。

尹大統領の弁護団は、高捜庁には内乱罪に関する捜査権がないと主張し、逮捕状請求を違法とする意見書を裁判所に提出しましたが、裁判所はこれを認めず逮捕状を発行しました。大統領警護庁との衝突が懸念される中、高捜庁は妨害行為が発生すれば公務執行妨害罪を適用する可能性を示唆しています。

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領

韓国では過去にも複数の元大統領が退任後に身柄を拘束され、実刑判決を受けた例がありますが、現職の大統領が逮捕されるは初めてのこととなります。

尹大統領は憲法裁判所での弾劾裁判が優先されるべきと主張していますが、裁判所が弾劾を支持した場合、尹大統領は失職し、60日以内に新大統領選挙が行われることになります。韓国最大野党「共に民主党」の李在明(イジェミョン)代表が次期大統領の最有力候補と見られています。

李在明氏インスタグラムより