中国出張の邦人女性にスパイ罪適用、日本国内での行動で6年間も服役

共同通信によると、2015年に中国当局が邦人女性を拘束し、日本国内での行動を理由にスパイ罪を適用していたことが明らかになりました。

女性は尖閣諸島に関する認識を中国側から聞き取り、日本政府関係者に伝えた後に上海で拘束され、2019年に懲役6年の実刑判決を受け服役しました。これが事実ならば、習近平政権の強硬な国家安全政策を象徴していることになります。また、日本国内での中国の情報収集活動への懸念も浮き彫りにしました。

岩屋外務大臣と中国・王毅外相 中国外交部HPより

日本政府が事態を把握していながら公表しなかった点には批判が集まっています。公表すれば注意喚起が可能だったはずだと指摘され、「日中友好」を重視する政府の姿勢への疑念が挙がっています。

中国が日本国内の行動を理由にスパイ罪を適用できる一方で、日本が国内でスパイ活動を行う中国人を逮捕できない状況が批判されています。

邦人女性の数年前の行動がスパイ罪とされたことは、日本国民が中国に日常的に監視されている可能性が示唆されており、それでも対中宥和的な日本政府の対応も問題視されています。

一部では、この事件を公表しなかった背景には対中関係の重視があると指摘され、日本の首相や政治家が訪中する意義について疑問視する声も挙がっています。

石破首相と習近平国家主席 中国外交部HPより

この事件を通じて、中国当局の強硬な姿勢、日本政府の情報公開の欠如、日本国内でのスパイ活動への対応不足が改めて問題視されています。