2025年は目標を立てず「頑張らない1年」に

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新年あけましておめでとうございます。本年も本ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

さて皆さまは元旦をいかがお過ごしでしょうか?

私はこれまで元旦になると以前のブログに書いていたように「100のやりたいことリスト」を作るのが恒例でした。作成したものを達成するとチェックして、年末に何%が達成できたかを検証するというPDCAサイクルを毎年繰り返してきました。

今年はこれを敢えてやらずに、1年を過ごしてみようと思います。

そう決めたのには、いくつかの理由があります。

まず、どうしてもやりたいと思うことが100も見つからなくなったことです。

例えば、仕事上では会社も1人で経営して13年目に入り、納得できる収益を上げられるようになりました。

人を雇って大きくしたり、もっと利益を増やして上場させたいといった野望はありません。むしろ、仕事量を減らして利益率の高く、楽しい仕事だけに絞ろうかとさえ思っています。

プライベートも楽しい仲間に囲まれ、ストレスもなく、やりたいことを好きにやって充分に満足しています。

現状よりさらに高い目標を設定して、それを達成しようというモチベーションが随分薄れてしまいました。

そんな中で無理に目標設定しても本気でやりたいと思わないでしょうし、そんなものに自分が縛られてしまうストレスの方が大きいのではないかと感じるようになりました。

また、そもそも目標設定自体が難しくなったのも理由の1つです。

外部環境の変化が大きく、努力よりも外的要因による運不運の影響が大きくなり、あっという間に達成される目標があったりすると目標を立てる価値が下がります。

例えば、未公開株式や暗号資産などへの投資では、上場や上昇のタイミングを掴むことが難しく、リターンは大きくブレます。定量化した目標を立てることが難しいのです。

さらに目標設定すること自体の価値に疑問を持ったことも理由です。

目標設定をする理由は、目標設定する方がしないよりもその目標に最短距離で到達できると考えられるからです。

しかし人生のクオリティは目標をより多く達成することよりも、毎日を楽しく生きることによって高められるのでは無いでしょうか?

目標設定してそれを1つずつクリアしていく先に豊かな人生が待っているのでしょうか?若いうちは良いのかもしれませんが、人生の後半戦には何かに追われるライフスタイルは似合わないように感じはじめました。

という訳で、2025年は目標設定をせず頑張らない1年にしてみます。年末にそんな人体実験の検証結果が出ることになりそうです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年1月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。