新型FFMはFFM同様に浮かぶ棺桶

海自の「次期護衛艦」急ピッチで量産へ!もがみ型より能力アップ 長射程ミサイルも搭載

新たな護衛艦「新型FFM」3隻の建造費として3148億円を計上しました。この護衛艦は現在配備が進められている、もがみ型護衛艦より各種の海上作戦能力が向上した艦艇となる見込みです。

「もがみ型」では6番艦「あがの」まで後日装備とされてきたVLS(垂直発射装置)、多機能ソナーなどは建造当初から装備する見込みで、長射程ミサイルの搭載や対潜戦機能の強化なども想定されています。

浮かぶ棺桶という点では、もがみ級と目くそ鼻くそです。水上戦闘艦として能力が低い。特に戦闘システムが問題です。国産のレーダーもソナーも相当性能が悪い。そして予算レクでも確認したのですが、クルー制の導入はもがみ級もその改良型でも現在導入ができない、とのことです。

もがみFFM-1。新型FFMはこれらの後継となる 海上自衛隊HPより(編集部)

省力化によって、人的な余裕を作ってクルー制を導入し、これによって乗員の負担を減らして離職者を減少させようという当初の目論見は破綻しているわけです。それでもハードウェアだけは調達を続ける。そしてそこに搭乗する医官もいない。

むしろもがみ、もがみ改良型24隻の代わりに4隻のイージス艦を調達し、クルー制を導入すべきです。前者は2000名、後者は1200名です少なくとも4隻のイージス艦で6組のクルーは揃えることができるでしょう。哨戒艦12隻を廃すれば更に360名の乗員を確保できます。無人機でできる仕事に沈められるのが仕事のフネを作って館長ポストを維持する必要など国防上ありません。

必要なのは浮いているフネではなく、戦争に勝てるフネです。

海自は来年度から組織を大きく変えますが、艦艇数をさほど減らすわけでもない。水上戦闘艦も潜水艦も数を減らすべきです。フネの数を維持してもまともに動かせないのでは戦力とはいえません。

【本日の市ケ谷の噂】
FMSも使えず今の段階からコンポーネントの調達に不安がある不要となったSPY7をアショアの言い出しっぺの髙橋憲一元防衛事務次官と、その子分の島田和久元防衛事務次官のメンツを守るために、イージス・システム搭載艦という胡乱な弥縫策をひねり出したが、輸入元の三菱商事が「2隻では常時稼働できないので3隻目が必要です」とリテラシーの低い自民党防衛族のセンセイ方をオルグしている。

これは利益優先の私企業であるので致し方ない部分があるが、同社は「米海軍はSPY6を採用しましたが、これはSPY7に代わります!」とバカなら騙せるとばかりに永田町でデマを飛ばしてセンセイ方にご説明を行っており、ドンガラを作る三菱重工も迷惑との噂。

財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
防衛(参考資料)

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防衛
防衛(参考資料)


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2025年1月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください