タワマンの建築は規制すべし

ジム・ロジャーズのいうとおり、人口減少で空き家が増えているのにタワマンなんか作って資源と、建設業界のリソースを食いつぶすべきではない。

日本は「お気に入りの国」だけど…世界の投資家ジム・ロジャーズが「日本株をすべて手放した」と明かすワケ

日本は「お気に入りの国」だけど…世界の投資家ジム・ロジャーズが「日本株をすべて手放した」と明かすワケ(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース
なぜ日本経済はいつまでも良くならないのか。投資家のジム・ロジャーズさんは「日銀と日本政府は策を講じているが、成果が出ていない。それは金融緩和や経済政策そのものが間違っているからだ」という――。(第1

2005年から日本の人口は減少に転じており、この先も増えることはない。このような状況にあるのだから、もちろん古くなった建物を新しく建て直したりすることは必要だが、必要以上に住宅を建てることはないのは、誰にでも分かる。にもかかわらず、である。日本では総住宅数が一貫して増加している。

958年と2013年のデータの比較になるが、空き家率が2%から13.5%へと上昇しており、空き家の数は820万戸にも上る。これも親しい日本人から聞いた内容であるが、実際、日本では世界屈指の都市である東京であっても、空き家があちらこちらに見られ、大きな社会問題になっているという。

理由は明白。投資目的の貸家の着工数が増加しているからだ。そして、そのようなビジネスをやりやすい状況をつくっているのが、低金利政策なのである。

のように、低金利政策は資源の配分を誤らせる。金利がゼロになると、人々は奇妙なものに資金を投入するようになるからだ。低金利政策は一見すると、多くの人々にとって魅力的に映るかもしれない。しかし、タダ同然で融資を受けられるという錯覚を生み、安易な借り入れを促進してしまうのである。

人口減少が進む中投資目的のタワマンなんかつくるべきではないでしょう。タワマンは維持費が大変高いし、人口が増えたら増えたで地域の学校や交通にも悪影響を与えます。

そして将来は修繕費用が賄えずにスラム化するでしょう。

kurosuke/iStock

更に問題なのはタワマンの建設で、減少している建設業界のリソースを食いつぶしていることです。ただでさえも人件費やコストが高騰し公共建築などの計画が見直されています。中野のサンプラザの建て替で、高さ200メートルのマンション含む計画が費用が倍増して中止になりました。それでも区長はタワマン作りたいらしいです。

駅すぐ前にマンションだけ作っても乗数効果はないでしょう。しかも工事費高騰で相当値上げしないと割に合わない。サンプラザは改修して使い続けるべきです。ホールとしても2千人のキャパでちょうどいいサイズです。計画ではこの何倍も大きなキャパンのホール作る予定でしたが、少子高齢化に加えて、同じ規模のコンサートホールは多く、競合が激しい。しかも建設費の高騰と、円安で外タレの招聘のコストも高騰しているので稼働率は維持できなかったでしょう。

こういうタワマンで建設業界のリソースをムダ遣いせずに、橋梁やトンネルといった不可欠なインフラの維持にリソースを割くべきです。

そのためにはタワマンの建設を制限すべきです。また住宅をつくるならばむしろ駅前などのマッチ箱みたいな一戸建てを潰して低層マンションにすべきです。マッチ箱の上に一階がカーポートや車庫なので一階の住居面積は低い。そしてジジババになれば二階に上がるのは大変苦痛になるし、難しくもなるでしょう。

であればこの手の家には固定資産税を増やして賃貸の低層マンションにすべきです。分譲マンションでは管理組合の問題があって老齢化か外国人が多くなると機能しません。ですから持ち家から賃貸に国の政策を変更すべきです。合わせて老齢を理由に賃貸を断るのを規制することも必要です。

【本日の市ケ谷の噂】
以前は陸自は准看護師になれば技術陸曹で2曹、救急救命士は国家資格がもらえる制度で海自と空自は准看護師として養成され救急救命士になっても士長という制度だった。現在は陸海空のいずれも准看護師は3曹救急救命士になれば2曹で揃えられている。

だが救急救命陸曹から有事緊急救命処置を行える「第一線救護衛生員」が養成され、普通科連隊等の第一線部隊に配置されると頭がいい自衛隊員として扱われて、他の職種であるにも関わらず連隊本部の人事陸曹等にさせられて事務要員になる。

しかも第一線部隊には野戦型救急車に「野外生命維持セット」が充足されていない。ただのベッドが4台ある空調付ワゴン車。係業務に救護支援で忙しすぎて自衛隊病院の手術室実習も消防の救急車同乗実習もできない。救護支援以外に患者を看ることが無く、衛生科と全然関係の無い仕事に残業と責任までついてくるので、皆中途退職する、との噂。

財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
防衛(参考資料)

財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
防衛(参考資料)


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2025年1月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください