選択的夫婦別姓に反対する保守派の思想は「家」制度の男尊女卑

今度の国会に選択的夫婦別姓を認める民法・戸籍法の改正案が提出される見通しなので、チャットGPTにその意味をきいてみました。

Q. 選択的夫婦別姓を認める民法改正案の内容はどうなるんですか?

GPT:現時点では、具体的な法案の内容は正式に公表されていませんが、1996年に閣議決定され、国会に提出された法制審議会の答申から、改正案に盛り込まれる可能性のある主要なポイントを以下にまとめます。

  1. 夫婦の氏の選択: 選択的夫婦別姓制度の導入により、夫婦が希望する場合には、結婚後もそれぞれの結婚前の氏を保持することが可能となります。
  2. 子どもの氏の決定:夫婦が別姓を選択した場合、婚姻時に子どもの氏を夫または妻のいずれかの氏に決定する必要があります。子どもが複数いる場合、全員が同じ氏を名乗ります

Q. ほとんどの夫婦は同姓を選び、別姓を選びたい夫婦だけが別姓にするので、他人には迷惑がかからないのに、なぜ反対するんでしょうか?

GPT:選択的夫婦別姓は、あくまで「選択の自由」を保障する制度であり、同姓を希望する夫婦には一切影響を与えないものです。それにもかかわらず意見が分かれるのは、以下のような理由によります。

1. 伝統的価値観と変化への抵抗

  • 反対派の中には「家族は同じ姓を名乗るべき」という固定観念があり、夫婦別姓を「家族の分断」と結びつけています。
  • ただし、この「家族の一体感」という主張は、夫婦同姓が導入された明治時代以降に生まれたものであり、歴史的には日本でも夫婦別姓が一般的でした。

2. 個人主義の民法への反発

  • 夫婦別姓を「家族よりも個人の自由を優先する制度」と捉え、家族の一体感がなくなり、社会の分断や絆の弱体化につながると懸念する声があります。
  • 保守的な価値観を持つ人々は、個人主義が行き過ぎると社会の安定が損なわれるという考え方を持っていますが、これは現在の民法の考え方と異なります。

3. 政治的・社会的対立の象徴化

  • 夫婦別姓は、保守派とリベラル派の価値観の対立の象徴となっています。
  •  保守派は夫婦別姓を「家族制度や伝統の解体」とみなし、リベラル派は「個人の権利の拡大」として推進しています。この対立が意見の分断を深めています。
  • 一部の宗教団体が「家族の絆を守る」として夫婦別姓に反対するキャンペーンを行っています。これが特定の政治勢力や支持者に影響を与えている可能性があります。

Q. 「伝統的価値観」というが、夫婦同姓は日本の伝統なんでしょうか?

GPT:いいえ、夫婦同姓は日本の伝統ではありません。実際には、夫婦同姓が日本で一般化したのは明治時代以降のことであり、それ以前の日本の社会では夫婦別姓が主流でした。「夫婦同姓=日本の伝統」という主張は歴史的事実に基づいていない部分があります。以下に詳しく説明します。

1. 明治以前の日本の婚姻制度

  • 江戸時代まで、ほとんどの庶民は姓を持っていませんでした。姓は主に武士や貴族など特権階級のものとされ、庶民にとって姓は制度上必要ありませんでした。
  •  婚姻後も、女性は生家の家名や姓を保ち、夫婦が別姓であるのが一般的でした。特に平安時代や室町時代には「通い婚」という形態が一般的で、夫婦が同居せず、姓を共有する概念もありませんでした。

2. 明治時代の変化と夫婦同姓の制度化

  • 明治政府は西洋式の近代国家を目指し、家制度を確立しました。 1898年に制定された明治民法では「家」制度が導入され、家族全員が戸主(通常は夫)の姓を名乗ることが義務化されました。
  • 夫婦同姓を義務化した背景には、兵役や納税の義務化という行政的な理由がありました。夫婦同姓が「伝統」と錯覚されるようになったのは、この明治民法によるものです。
  • 明治政府は、近代化と西洋化を目指して法制度や社会制度を大幅に変更しました。その中で、ドイツやフランスの法体系が日本の近代民法のモデルとして採用されました。夫婦同姓制度も、西洋のファミリーネームを取り入れた結果と考えられます。

Q. 選択的夫婦別姓についての世論調査の結果はどうなっていますか?

GPT:選択的夫婦別姓制度に関する世論調査の結果は、調査の実施時期や質問の形式によって異なりますが、近年では賛成意見が増加する傾向にあります。以下に主な調査結果をまとめます。

1. 内閣府「家族の法制に関する世論調査」(2021年12月実施)

  • 「現在の制度である夫婦同姓制度を維持した方が良い」: 27.0%
  • 「現在の制度である夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方が良い」: 42.2%
  • 「選択的夫婦別姓制度を導入した方が良い」: 28.9%

2. FNN世論調査(2024年7月実施)

  • 賛成: 66.6%
  • 反対: 25.5%

3. 朝日新聞社世論調査(2024年7月実施)

  • 賛成: 70%
  • 反対: 14%

内閣府の世論調査だけ「旧姓の通称使用」が最多になるのは、中間的な妥協案に見えるからでしょう。賛否が分かれる問題では、こういう案が受け入れやすくなります。

Q. 「旧姓の通称使用」は選択的夫婦別姓の代わりになるんでしょうか?

GPT:なりません。実際には同姓の通称使用は夫婦別姓と同じではないからです。以下に詳しく説明します。

  1. 法的効力がない:通称使用はあくまで「便宜上の措置」であり、法的な名前として認められるわけではありません。たとえばパスポートの旧姓は海外では通用せず、銀行口座は戸籍上の姓を使わないと取引できません。
  2. 二重の手間:通称使用を認めても、戸籍上の姓と通称の二つを使い分ける必要があり、書類作成や手続きで余計な手間がかかります。
  3. 個人のアイデンティティ:結婚後も旧姓を保持したい理由は、職業上の利便性だけでなく、自分のアイデンティティや家族の歴史を大切にしたいという強い思いから来ています。通称使用では、戸籍上の姓が変わること自体が個人の尊厳を損なう問題を解決できません。

Q. 産経新聞は「夫婦別姓になると子供の姓もバラバラになる」と反対していますが、これは本当ですか?

本当ではありません。日本で議論されている選択的夫婦別姓制度では、子どもの姓については夫婦が事前に決めて統一する仕組みが提案されています。以下に詳しく説明します。

  1. 法制審議会答申:1996年の法制審答申では、夫婦別姓を選んだ場合でも、子どもの姓は夫か妻のどちらかの姓を選択することになっています。子供が複数いる場合でも、全員が同じ姓を名乗るように規定されており、子どもごとに異なる姓を持つことは制度上認められていません。
  2. 野党案:2004年の野党案(廃案)では子供の姓を親が協議して決めることになっていましたが、いま検討されている野党案は法制審答申と同じく子供の姓を統一する方向です。

親の姓が異なる場合、複数の子供の姓はどちらかの親と異なりますが、これは離婚した場合と同じです。子供の姓が変わるから離婚を禁止しろという人はいないでしょう。

Q. 高市早苗さんは総務省の法案を1100本以上書き換えて旧姓併用を認めたそうですが、これは問題の解決になるんでしょうか?

GPT:なりません。高市早苗さんが総務大臣時代に旧姓併用を進めるため、総務省関連の法案を1142本書き換えたのは、旧姓使用を可能にするために多大な労力が必要だったことを示しています。これを全官庁や関連法規に適用しようとすると、さらに大規模な作業が必要となります。

  1. 法規や規則の膨大さ:日本の官庁には数千本に及ぶ法律、政令、省令、規則が存在し、それぞれの文書において「氏名」に関する規定が明記されています。旧姓併用を認めるためには、それらすべての文書を個別に見直し、必要に応じて改正しなければなりません。
  2. 業務運用の変更:各種手続き(例:住民票、パスポート、免許証など)で、旧姓をどのように扱うかを統一的に運用する必要があります。そのためには、役所や関連機関のシステム改修や、職員の対応マニュアルの改訂が求められます。
  3. 選択的夫婦別姓との比較:旧姓併用をすべての官庁や法規に対応させる作業の手間とコストを考えると、現行の民法と戸籍法を改正し、夫婦がそれぞれの姓を保持できるようにするだけで、多くの法規改正が不要になります。

Q. 反対はには、明治時代の「家」中心の家族制度を守り、妻は夫に従うべきだという価値観があるんじゃないでしょうか?

GPT:その通りです。明治時代に確立された「家」中心の家族制度には、明確に男尊女卑の価値観が組み込まれており、その影響が現代の夫婦同姓制度や保守派の主張にも色濃く残っていると考えられます。以下に、明治時代の家制度とその価値観が現在の議論にどのように影響しているのかを説明します。

1. 明治時代の家制度と男尊女卑

  • 明治民法(1898年施行)では「家」を単位とする家族制度が確立されました。家は家長(通常は男性)が支配し、家族全員は家長に従うべきとされました。女性は結婚により夫の家に入り、夫の姓を名乗ることが義務付けられました。
  • 妻は「夫に従う存在」として位置づけられ、財産権や離婚の権利は大幅に制限されていました。家の存続を最優先とする制度の中で、女性の権利や個人としての尊厳は軽視されていました。

2. 現代の夫婦同姓と家制度の残滓

  • 現在の民法でも、夫婦は同姓を名乗ることが義務付けられています(夫または妻の姓を選ぶことは可能ですが、96%以上が夫の姓を選択しています)。
  • これは明治時代の「家」を単位とした秩序を基にしており、特に女性が夫の姓を名乗ることが事実上の慣習となっています。
  • 現行制度は、女性が結婚後に姓を変えることを前提としており、職場や社会でのアイデンティティの喪失や不便を強いています。男性は姓を変えるケースが少ないため、この制度が男性優位の構造を温存しているとの批判があります。

3. 保守派の価値観と男尊女卑

  • 家制度への執着:保守派の中には、「家族は一つの姓で結束するべき」という主張が根強くありますが、これは明治時代の家制度に由来します。この価値観は、女性を家庭内で夫に従属する存在とみなす前提を暗に含んでいます。
  • ジェンダー平等への抵抗:保守派の中には、選択的夫婦別姓を「家族の解体」や「伝統の破壊」とみなす声があります。これは、男女が平等な立場で姓を選ぶ権利を持つことが、従来の男性中心の価値観と矛盾すると感じていることが背景にあります。
  • 個人より「家」の優先:保守派の主張では、個人の選択や自由よりも、「家族全体の調和」や「日本の伝統的価値観」が強調されます。

結論
明治時代の家制度に基づく「家中心の価値観」と「男尊女卑の思想」が、現在の夫婦同姓制度の基盤にあり、それを守ろうとする保守派の抵抗につながっています。

この制度は、家族や社会の調和を理由に女性の個人としての権利を制約し続けており、国際的なジェンダー平等の潮流からも乖離しています。選択的夫婦別姓は、こうした古い価値観から脱却し、個人の自由と家族の多様性を尊重する第一歩となるでしょう。