防衛費GDP3パーセントはおろか、2パーセントも絵に描いた餅です。我が国にそんな冗費を払う余裕はありません。
GDP比2%も安倍晋三が政治的な下心で出した数字であり、必要という根拠はありません。実際にカネを増やしてから使い道を考えろといっていました。更に申せば借金でいくらでも軍拡が可能だと。
つまり何にいくら掛かるかも、分からずに借金して火の出る玩具をアメリカから買えば、米帝様のご機嫌も取り結べるし、国防は全うできると。こんな男が8年も自衛隊の最高指揮官だったんですよ。
民間企業でいきなり設備投資を2倍にしろ、2倍してから内容決めろと社長が命令したら株主から訴えられるでしょう。
実際問題として無限に国債を発行してバラマキに使えるわけではありません。当然き倫理が上がって、国債費が予算の中の比率を増やします。現在2.5割ほどですが、これが近く3割になりそうです。借金を増やし続ければその比率は更にあがっていきます。そうなれば予算を組むのは至難の業になるでしょう。
国債利払い費、28年度16兆円=25年度比1.5倍、財政重荷―財務省試算 ビジネスジャーナル
財務省が2025年度予算案を基に将来の財政を推計した試算で、国の借金である国債の利払い費が28年度に16.1兆円に達することが22日、分かった。「金利のある世界」の復活で長期金利が上昇するためで、25年度比1.5倍となる。利払い費の負担増が政策選択の幅を狭めるのは必至
試算によると、一般会計の歳出総額は28年度に過去最大の127.8兆円となり、25年度予算案(115.5兆円)から大きく増加する。国債の利払いと元本の返済を合わせた国債費は35.3兆円と、歳出全体に占める比率は3割に迫る。
一方、歳入のうち税収は28年度に88兆円(25年度78.4兆円)まで増える。経済成長に伴う税収の伸び率を、これまでよりも高めに設定したことも押し上げの要因。
今回は28年度までの名目経済成長率を3%、物価上昇率を2%と仮定。国債利払い費を算出するための10年物国債の想定金利は23年度まで7年連続で過去最低の1.1%だったが、日銀の利上げに伴い25年度は2%に引き上げた。28年度は2.5%で試算した。
これはかなり楽観的な予想だと思います。名目成長率が3パーセントとは奢りすぎだとおもいます。毎年人口、特に就労者人口が減る中でこれは難しいと思います。
いずれにしてもこの状態で更に国債を発行して身の丈を超えた予算を組み続けるのであれば、更に金利が上がり、国債費は増えて予算を組む事自体が難しくなると思います。
一方で国民もバラマキの原資は無料と思っておねだりしてきましたが、政策実現にはコストがかかることを実感すれば今後無軌道なバラマキにはブレーキがかかるかもしれません。
個人的には早くIMFの管理下に入って「進駐軍」IMFから支出削減を強要されたほうがいいと思います。どうせ日本人には自己改革力がないですから。
いずれにしても社会保障費の低減も必要ですが、根拠が安倍晋三の与太話だけのGDP比2パーセントという寝言は国民の理解を得られないでしょう。政府は現在でもこれ以上の厚生年金負担を増やすといっていますが、このような負担増が多くの国民に知られるようになれば、防衛費の増大は難しいでしょう。
個人的には7兆円強ぐらいが限界ではないかと思います。むしろGDP1パーセントに戻して、どうせ隊員があつまらないのですから自衛隊26万人体制を20万人ぐらいに減らすべきです。その代わり浮いた予算で稼働率を上げて、また古い装備や需品の更新をすべきです。分母を減らせばその額でも十分可能です。
【本日の市ケ谷の噂】
オリンピックではブルーインパルスはカラースモークを使ってたがそのごしれっと、白いスモークに戻した。これはカラースモークで地上の車両などに着色するなどの被害がでたからだ。
だがブルーインパルスのカラースモーク使用については、地上へ降りた染料による着色問題があったことから1999年から20年近く使用が停止され、白色のスモークのみが使用されてきた。だが2020東京オリンピックに向けて、改良型カラースモークの安全性が試験された結果、やはり地上の着色が落ちないという問題が指摘され、試験報告では使用不可とされていた。
にもかかわらず、サメの脳みその森喜朗と森に指示を受けた杉山航空幕僚長が、カラースモークの安全性に関する報告書を改ざんさせて2020東京オリンピックに使用させた。空自内では異を唱える者は皆左遷され、改ざんに手を貸した者は昇任した。
戦犯は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会長森喜朗、杉山良行航空幕僚長、井上浩秀航空開発実験集団司令官。処罰を受けたブルーインパルスの隊員と指揮官らはこれら利権オジサンへの非難をさせるためのスケープゴートだった、との噂。
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財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
防衛(参考資料)
財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
防衛(参考資料)
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2025年1月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください