イギリスのハウエルズさんというITエンジニアだった人が2009年にビットコインのマイニングで8,000BTC(現在価値で約1200億円)を採掘したものの、その秘密鍵を保管した2.5インチのHDDを誤って捨てられてしまったそうです(写真はABEMA TIMESから)。
2013年8月に同じサイズの2つのHDDのうち、ビットコインのデータが入っている方をゴミ袋に入れてしまい、当時のパートナーがすでに家庭ゴミのリサイクルセンターに持っていってしまった。その後どのような活動をしていたのかは不明ですが、ここに来てこのゴミ埋め立て地を購入してHDDを探そうとしていると報じられました。
掘削作業を行う専門チームを編成し約19億円をかけて作業を行う予定で、HDDが見つかればデータを回収できる可能性は80%と見込んでいます。果たして見つかるのでしょうか?
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暗号資産に関するこの手の話は私の周りでも数多く聞きます。
ハードディスクに保管していたらハッキングされた、端末に保管していたらアクセスできなくなった、パスワード忘れてログインできなくなった、アドレス間違えて送金してしまい戻って来なかった。。。
中には数億円単位の損失を被っている人もいます。
暗号資産の管理にはパスワードやパスフレーズといった人に知られてはいけない情報が必要ですが、厳重に管理すればするほど自分もアクセスできないリスクが高まるというジレンマがあります。
そんなリスクを回避する方法はやはり分散しかありません。暗号資産を1か所に集中保管するのではなく、分散させてそれぞれを管理する。そうすれば、万が一どこかで問題が発生してアクセスできなくなってもその被害を限定することができます。
暗号資産の普及を妨げている要因の1つは、このような取り扱いの難しさです。日本国内には個人の場合の総合課税という税制面での問題もあります。
これらが改善されれば、暗号資産のすそ野が国内で急拡大すると思います。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年2月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。