赤いきつねのCMが全然「性的」じゃないのに「性的」だと炎上させられる

東洋水産株式会社(マルちゃん)が2月6日に公式Xアカウントで公開した「赤いきつね」のアニメCMが、一部の視聴者から「性的である」との指摘を受け、議論を呼んでいます。

CMの内容は、若い女性が自宅でカップ麺を食べるというシンプルなもので、特に過激な描写は含まれていません。しかし、頬を赤らめる描写や口元のアップといった演出が、ごく一部の視聴者に「気持ち悪い」「不快」と受け取られたようです。

赤いきつねCMより

しかし、多くの意見は「過剰な反応ではないか」としており、次第に議論の方向性も変わってきています。

このCMをめぐり、ネット炎上に詳しい国際大学グローコムの小木曽健氏は「非実在型炎上」の可能性を指摘しています。

これは、メディアが少数の意見を大きく取り上げることで、実際よりも炎上が大きく見える現象を指します。小木曽氏によると、アクセス数を稼ぎたいメディアがノイジーマイノリティ(声高な少数派)の意見を拡散し、あたかも大きな問題であるかのように見せている面があるとのことです。また、一部の炎上対策コンサルタントが、こうした状況を利用し、自ら炎上を煽ったうえで対策を売り込む「マッチポンプ」の可能性も指摘しています。

参照:「性的でキモい」 マルちゃん【赤いきつね】アニメCMが炎上 「エロ要素なくない…?」反論多数も、やまぬ批判

一方、料理研究家のリュウジ氏は17日、自身のXで「まったく性的には見えない」との考えを示しています。グルメ漫画などでは一般的な表現であり、今回の反応は過剰ではないかと主張しています。この意見には、多くの共感の声が寄せられています。

企業の広告をめぐる炎上は後を絶ちませんが、広範な批判を受けているのか、それとも一部の意見が誇張されているのかを見極めることが、企業のみならず、消費者にも求められていると言えるでしょう。

「赤いきつね」のCM炎上は、社会の縮図を映し出しているとの意見もあります。

また、「女性は自宅でまったりTV鑑賞し、男性は職場で残業」といったジェンダーバイアスのほうが問題ではないかという指摘も見られます。

われわれはSNSの登場で、大切ななにかを失ってしまったのかもしれません。

これからお冷静に「赤いきつね」を楽しみたいですね。