トランプ・ゼレンスキー会談は決裂に終わり、アメリカはウクライナ支援を打ち切る方向だ。これについて「ゼレンスキーは失礼だ」とか「ヴァンスが挑発した」とか諸説あるが、NHKが50分の会談すべてを書き起こしたので、チャットGPTに要約してもらった。
- トランプ大統領の主張
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- 「この戦争は終わらせるべきだ」と主張。
- アメリカがウクライナの鉱物資源に関与する可能性を示唆。
- 「自分が大統領だったら戦争は起こらなかった」とバイデン政権を批判。
- プーチン大統領とも話し合っており、和平交渉を進めていると発言。
- ゼレンスキー大統領の主張
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- 「戦争を終わらせるためには、プーチンを止める強い姿勢が必要」と訴える。
- 「ウクライナの安全保障が最優先」と主張し、アメリカの支援継続を求める。
- ロシアによるウクライナの子どもの拉致や捕虜の扱いについて深刻な問題を提起。
- 戦争後の防空システムの強化や、無人機技術の共有についても議論。
- ウクライナ支援の基金
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- アメリカがウクライナのレアアースを利用し、その利益の一部を基金に回す計画。
- トランプは「アメリカはレアアースが不足しており、ウクライナの資源を活用する」と述べた。
- 戦争終結への意見の違い
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- トランプ「まず合意が必要。戦争が続けば多くの命が失われる」
- ゼレンスキー「停戦だけでは不十分。ロシアは何度も約束を破ってきた」
- トランプは「妥協なしの交渉は不可能」とし、ゼレンスキーにも妥協を求めた。
- NATOやヨーロッパとの関係
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- トランプ「ヨーロッパはもっと負担すべき。アメリカは過剰に貢献している」
- ゼレンスキー「ウクライナはヨーロッパを守っている。バルト諸国やポーランドも危険にさらされる可能性がある」
- アメリカの立場
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- トランプ「私は中立の立場で問題を解決したい」
- ゼレンスキー「ウクライナはアメリカが味方であることを信じている」
- プーチン大統領との関係
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- トランプ「プーチンとは話し合っており、合意に持ち込むつもりだ」
- ゼレンスキー「プーチンはウクライナ人を敵視しており、停戦だけでは問題は解決しない」
- トランプの立場
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- 「私はプーチンに肩入れしていない。アメリカと世界のために戦争を終わらせたい」
- 「停戦が最優先。合意よりもまず銃撃を止めるべき」
- 「アメリカの支援がなければウクライナは長く持たない」
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- ヴァンス副大統領の主張
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- 「ウクライナの安全は外交で守るしかない」
- 「民主党政権はウクライナを守ることに失敗してきた」
- ゼレンスキーの反論
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- 「外交とは何か。ロシアは過去に何度も停戦を破った。停戦協定だけでは問題は解決しない」
- 「ウクライナの抵抗がなければ、ロシアはポーランドやバルト諸国にも侵攻する」
- 激しい口論と緊張感
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- ヴァンス「ゼレンスキーがアメリカに感謝しないのは失礼だ」
- トランプ「ウクライナは負けそうだ。アメリカがいなければすぐに終わる」
- ゼレンスキー「ウクライナは戦い続ける。アメリカの支援には感謝している」
- トランプ「あなたはカード(交渉の材料)を持っていない」
- ゼレンスキー「トランプゲームをしているわけではない」
- 最終的に合意に至らず
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- トランプ「アメリカが手を引けば、ウクライナは自分たちで決着をつけることになる」
- ゼレンスキー「それはウクライナ国民にとって受け入れられない」
いやいやながらの首脳会談
テレビに出たのは———以下の部分だが、最初から見ればわかるように話は空転していた。ゼレンスキーが停戦協定を破るプーチンに対抗するアメリカの軍事支援を求めるのに対してトランプが一般論で逃げ、ゼレンスキーが具体的な約束を求める繰り返しだった。
答に窮したトランプがヴァンスに話を振り、彼が「ウクライナの安全は外交で担保する」と建て前論で答えたので、ゼレンスキーが「あなたのいう外交とは何だ」と反論したのが口論の始まりだった。
ゼレンスキーの批判は外交的には異例だが、それを「失礼だ」と喧嘩を売ったのはヴァンスである。どっちもどっちだが、根本的な問題はどっちも停戦協定は結びたくないという本音だろう。
停戦すると大統領選挙が行なわれ、ゼレンスキーの再選は困難とみられている。ロシアが介入してヤヌコーヴィチのような傀儡政権ができる可能性もある。
他方、ヴァンスは「ウクライナよりラストベルトに金を配れ」と主張し、ウクライナから手を引きたい。トランプはウクライナをプーチンに売り渡し、欧州から撤退したい。このまま戦争を続けて犠牲者を増やすより「プーチンの平和」のほうがましかもしれない。
三者の思惑が一致して、こういう結末に終わったのではないか。記者団に公開されなかったこの後の会談で収拾することもできたはずだが、トランプはゼレンスキーに昼食も取らせずに追い出した。それは最初から想定していた筋書きだったのではないか。
もともと今回の会談は、どっちも気乗りしない中で、アメリカのルビオ国務長官とロシアのラブロフ外相がリヤドで会談し、ベッセント財務長官がゼレンスキーを説得してワシントンに引っ張り出したものだ。
事務レベルの合意ができていないのに、ぶっつけ本番で大統領どうしが話し合い、そこに事情を知らない副大統領が乱入して話をぶち壊した…というのが公平な見方ではないか。どっちも悪いが、圧倒的に影響が大きいのはトランプの側である。今後の世界は「米露枢軸」と欧州の対決になるだろう。