米欧対立の激化を背景に、ヨーロッパ連合(EU)を構成する国々は独自の防衛力強化に向けた取り組みを加速することで合意しました。
EUは約127兆円規模の防衛予算を組むための資金調達を進める意向を表明しています。
防衛予算を増やす気配が一向に見られない欧州諸国に対し、トランプ政権はしびれを切らし、防衛義務の不履行をちらつかせることで、欧州の自助努力を促していました。
米国がウクライナ支援に消極的に見えることも、EUが防衛力強化を急ぐ要因の一つです。
しかし、欧州が公約通りに抜本的な防衛政策の転換を図るかどうかは疑問です。
ウクライナ侵攻直後、ドイツのショルツ首相は『時代の転換点』が訪れたとし、大軍拡を表明しましたが、その遅さが指摘されました。
”ドイツはロシアに対抗するには軍備の再整備が遅すぎる”
現在の調達率でいくと、ドイツは戦闘機では約15年、戦車では約40年、榴弾砲ではわずか約100年で2004年の能力を回復することになる
また、欧州の政府関係者の間では、米国よりも中国を信頼するという見方が強まっているとの観測があります。これが事実であり、欧州が経済面で中国との連携を強化すると、中国への依存が増大し、経済安全保障リスクが深刻化します。
このような状況では、防衛予算を増やしても脆弱性は残ったままです。
欧州独自の防衛力の必要性を認識しているはずの人々の『涙』を見ると、欧州の本気度に疑問を感じざるを得ません
約70年にわたり、欧州の防衛努力を求める米国と、それに抗い続ける欧州の構図は変わっていません。
「アイゼンハワー大統領(1953年から1960年まで)の任期の終わりには、彼自身もヨーロッパが自国の防衛に十分な責任を負っていないことを懸念していた」
「間違いなく、トランプ大統領は、誰かがアンクルサム(米国)をアンクルサッカー(金ずる)に変えることを許さないだろう」
ピート・ヘグゼス米国防長官はNATO同盟国に対し、米国は利用されないと警告し、欧州に防衛費の増額を要請した。
欧州はついに米国からの自立を果たすことができるのでしょうか?
ゼレンキー大統領インスタグラムより