英伊共同開発の次期戦闘機にインドは入れないほうがいい

<独自>日英伊共同開発の次期戦闘機にインドも参画意欲 日本は受け入れに慎重

<独自>日英伊共同開発の次期戦闘機にインドも参画意欲 日本は受け入れに慎重(産経新聞) - Yahoo!ニュース
日本、英国、イタリアによる次期戦闘機の共同開発に、インドが参画の意欲を示していることが1日、分かった。インドから日本政府に参画の可能性を探る打診があった。ただ、インドは伝統的にロシアとの関係が深く、

日本、英国、イタリアによる次期戦闘機の共同開発に、インドが参画の意欲を示していることが1日、分かった。インドから日本政府に参画の可能性を探る打診があった。ただ、インドは伝統的にロシアとの関係が深く、技術流出の恐れなどがあるとして日本政府は受け入れに慎重な考えだ。

次期戦闘機の共同開発・生産には巨額の費用がかかるが、インドが参画すれば市場が広がり、日英伊の負担軽減につながる。ただ、参画国が増えれば機体配備の遅れや、機密情報の共有に関する懸念が生じる可能性が高まる。

インドの参画が実現した場合、日印の防衛協力が深まり、共通の脅威となっている中国への抑止力向上につながりうる一面もある。一方、日本政府内では「技術を抜き取られるだけではないか」(防衛省幹部)と警戒する声も根強い。

記事が指摘しているのはロシアに対する技術漏洩と「技術を抜き取られるだけではないか」の二点です。前者は警戒すべきですが。日本に抜き取られるような技術はないですよ。まあ英伊はありますが。

それよりも大きな問題があります。それはインド人との交渉が大変困難であることです。実際にインド人と商売したことがある人間ならわかりますが、屁理屈が多い。ためにする議論が多い。このため交渉がまとまらず開発が大きく遅れる可能性が極めて大きい。当然英国はインドとの付き合いは長いわけです、それでも相当剣呑です。

実際にインドに売り込んだ軍事メーカーは皆煮え湯を飲まされています。きまったことも平気で保護にしますから。

むしろ、国内市場と技術力でいえばトルコあたりを巻き込む方が無難です。もっともトルコは国産戦闘機の開発を進めていますが。たた米国がああいう感じですから、声をかけたら乗ってくるかもしれません。あとはスウェーデン、カナダ、ポーランド、シンガポールUAEあたりでしょう。

次期戦闘機のイメージ 防衛省より

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
高コスト・低品質な国産戦闘服:自衛隊装備調達の問題と改革の必要性
石破首相のC-17導入発言の真意

ES&D誌に寄稿しました。
Japan orders 17 Boeing CH-47 Block II Chinook helicopters

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昔書いた「防衛破綻」「専守防衛」がKindle化されました。順次他の電子媒体でも発売となります。電子版向けのまえがきも追加しております。15年ほど前の本となりますが、防衛議論の基礎データとしてご活用いただければ幸いです。


防衛破綻 – 清谷 信一


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財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
防衛(参考資料)

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編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2025年4月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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