トランプの今回の関税政策はいくらなんでも愚行だとしかいいようがないが、なにがなんでも世界にとって禍のタネであるウクライナ戦争を終わらせようという現実感覚とか、不法移民に対する毅然とした態度は支持する。

短期決戦
ロシアがウクライナに侵攻したのは不法だが、そこに至るまでの米欧の動きは、あたかも悪質な地上げをするために周囲の土地を買い集めて孤立させる悪徳不動産業者のごとしで、それでもぷっつんして暴力をふるったなは、不法だが、戦後秩序の形成でロシアに果実を与えてはならないとかいいだしたら平和はありえない。
そもそも不法移民を防ぐことも追い出すこともやりたくないというのが異常だったが、ただ、別にテロに組みしているわけでない学生までトランプの方針に批判的なら追い出すというには勇み足だろう。
経済については、トランプの荒っぽく予測不可能な政策展開はで困ったものだし、どの国にとってもそうですが、変わった指導者には適当にごまをすることも抵抗することも利用することも必要だ。
たとえば、フランスのワインにせよ、ブランドものにせよ、アメリカに輸出できなくなったものをいかに安く買い集めて楽しむことがいい。海外に行っても、今年のパリのソルド(バーゲン)などさぞかし楽しいものになるだろう。
トランプが焦って大車輪で暴走しているのも、トランプが好きなことできるのは、上院、下院、連邦最高裁の半分の支持を得ている限りであるからだ。中間選挙後はこのままでは危うい。
上院については、中間選挙で改選されるのは3分の1だけだし、賛否同数の場合は上院議長を兼ねるバンス副大統領が決める。それまで、条約批准あたりでつまずく可能性はあるが、相対的には安全。
下院は議席差が小さく、補選で逆転する可能性もある。
それよりも、連邦最高裁は保守派判事たちは、保守派6人vs.リベラル3人だが、ロバーツ長官、カバノー判事あたりは、トランプがあまり調子に乗ると、急速にブレーキをかける方に方向転換する可能性がある。
そうした危険性も感じているからこそ、トランプも短期の勝負にでているのだろう。