GWは「外出ウィーク」より「頑張るウィーク」がいい

黒坂岳央です。

ゴールデンウィーク(GW)が近づいてきた。

「GWの過ごし方」のアンケートなどを見ると、「家で過ごす」が最多となっている。だが、それでも観光客と帰省ラッシュで人が溢れかえり、SNSには「混雑がひどい」「どこも高すぎる」「疲れただけだった」という声が飛び交う。

宿泊費や交通費は繁忙期価格、観光地は長蛇の列、サービスの質も落ちやすく、満足度も低い。小さな子ども連れで出かければ、その負担はさらに増す。

もはや、GWは“楽しむための休日”ではなく、“耐える連休”になりつつある。

ここで発想を変えるときだ。

ma-no/iStock

GWは遊ぶにはコスパが悪すぎる

実は、GWは年間を通して最も“逆張り”の行動が活きる時期だ。

外が混雑している一方で、都心部のオフィス街やカフェ、自習室、図書館などは驚くほど空いている。普段は混み合っている学習施設や作業場所が、予約不要で快適に使える。通勤電車もガラガラで、静かな環境が整っている。実は、GWほど「自分に集中できる時間」は少ない。

筆者は学生時代、GW中にアルバイトのシフトを増やし、家で勉強をしてきた。社会人になってからは独立準備にあてた。後から振り返れば、あのGWは、「その年で最も付加価値の高い数日間だった」と思える。

GWは「遊ぶにはコスパが悪い」――その前提に立てば、「人生を前に進めるための自己投資期間」に切り替える方が、何倍も合理的なのだ。

家族持ちも“頑張るウィーク”

とはいえ、すべての人が勉強や仕事に集中できるわけではない。特に、小さな子どもがいる家庭では、思うように時間が取れないことも多い。

だが、ここで大切なのは「何に時間を使うか」という視点だ。

子どもと過ごす時間も、広い意味での“自己投資”と捉えることができる。たとえば、近場の公園で自然観察をする、家で一緒に工作や料理を楽しむ。高いお金を払って混雑に巻き込まれるより、むしろこうした体験の方が、子どもの記憶にも、親子の関係にも深く残る。

「せっかくの連休だから遠出しないと損」ではなく、「身近な時間に意味を見出す」ことができれば、それも立派な“頑張るウィーク”になる。

GWはカレンダー上の休暇かもしれない。だが、「人生を良くする自己投資の数日間」に変えることにしたいものだ。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。