電車で敢えて優先席に座る「利己的な理由」

電車に乗るといつも気が付くことの1つが、優先席に座ろうとする人が少ないことです。ほとんどの人は普通席から順番に座っていきます。混雑している車内でも、優先席だけは空席になっているのをよく見かけます。

私は電車では敢えて優先席の近くのドアから乗るようにしています。そして、優先席に座れれば積極的に座るようにしています。

なぜなら、お年寄りや妊婦の方のような利用すべき人を車内で見かけたら、すぐに譲ることができるからです。

席を譲ることで何だかちょっとした良いことをした気分が味わえるという完全な自己満足。だから極めて利己的な理由です。

優先席でやってはいけないのは、譲るべき人がいるのに、気が付かないふりをして席に座り続けることです。

もし対象になる人がいなければ、むしろ積極的に座った方が車内の混雑解消にも役立つというのが私の考えです。

ただ、優先席で席を譲るのは、意外に気を使います。

シニアの方だと思って、席を譲っても結構な確率で断られたりするのです。

逆の立場に立ってみれば、自分はまだ若いと思っているのに、席を譲られるのは何だかちょっと寂しい気がするのかもしれません。

微妙な年齢の人に、声をかけるべきかけるべきではないか。悩んでしまう事は少なくありません。

今日乗車したメトロ銀座線は、ビジネス客と観光客、そして外国人で大変混雑していましたが、やはり優先席は空席でした。

優先席に座ってから席を譲るべき人がいないかきょろきょろしながら、結局目的地の外苑前駅まで座って行くことになりました。

席を譲ることばかり考えている私ですが、いつか優先席を譲られる時が来るはずです。その時どんな気持ちになるのでしょうか?


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年5月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。