2日午前10時15分ごろ、秋田市の新屋海浜公園近くで、風力発電のプロペラ(ブレード)が落下し、男性が頭を負傷して倒れているのが発見されました。男性は意識不明のまま救急搬送されましたが、死亡が確認されました。
折れたブレードのようす NHKより
風車は3枚のプロペラのうち1枚が根元付近で折れ、回転が止まっていました。秋田県警はプロペラ落下と男性の死亡の因果関係を調査しています。
現場では事故を受けて警察が立ち入りを規制しました。事故当時、秋田市では最大瞬間風速23メートルの強風が観測され、県内全域に強風注意報が出されていました。
今回の事故は、風力発電のプロペラ落下によるとみられる死亡事故としては初めてであり、風力発電の安全性に対する重大な懸念が浮上しています。風力発電の風車には、一般的に長さ50~70メートル、重さ20~30トンのプロペラが3枚設置されています。近年の大型化により、事故時の被害も大きくなりうる状況です。
過去にも各地でプロペラや風力発電設備の落下事故は発生しており、石川県輪島市、福井県あわら市、三重県、京都府などで構造物の落下や破損が報告されていますが、これまではいずれもけが人はいませんでした。今回の死亡事故は、安全対策の見直しを迫る深刻な事態となっています。
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風力発電所の羽根(ブレード)は、風が強くなるほど回転が速くなり、先端は新幹線並みの速度に達することもあります。風速が毎秒2メートルほどで回転を始め、毎秒4メートルほどから発電を開始しますが、毎秒25メートルを超えると安全のため自動的に回転を停止しますので決して効率的とはいえません。
北海道幌延町の風力発電所で鳥が風車に衝突する「バードストライク」が多発し、風車1基あたりの件数が世界最悪水準を上回りました。これを受けて事業者は、日中の運転を一時停止する対応を取りました。人間にも環境に全くよいことがありません。
風力発電は曲がり角に来ていることは間違いありません。
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