福岡名物!明太子を飽きるほど食す。

福岡に異動すると決まったとき、ほとんどの会社の同僚から

「福岡いいっすねぇ~ 食べ物おいしいですよねぇ~」

と言われました。

もつ鍋にとんこつラーメン。確かに福岡にはおいしいものが多いです。

その中でも一番好きなのは「明太子」。福岡に来る前から好物でふるさと納税で取り寄せていましたし、福岡に旅行に来たときには100%お土産に買って帰っていました。そんな明太子が2400円で食べ放題になる。そんな情報を聞いてこれはいかねば!と車を走らせました。

やってきたのは117、じゃなくて「ハクハク」。博多の食と文化の博物館です。車が便利ですが、JR鹿児島線の箱崎、吉塚各駅からも徒歩圏内。

すぐ近くにある福岡空港の航路の真上にあるので飛行機がこんなに大きく見えます。

この博物館を運営するのは「ふくや」。明太子好きな人なら知らない人はいないはず。福岡の明太子製造の第一人者です。実は「ハクハク」はふくやの明太子製造工場の中にあります。

早く明太子を食べたい。そんな気持ちをおさえつつまずは工場見学へ。工場の入り口には戦後間もない昭和23年、創業者の川原俊夫さんが中洲市場で始めた店の様子がリアルに再現されています。

店を構えた川原さんがもっと市民に愛されるものを売りたいと考え、プサンで食べたタラコの明卵漬を日本人向けに味を変えて生み出したのが辛子明太子でした。高価だったこともあって当時はあまりヒットしませんでしたが、川原さんは特許を取らずライバル会社にもレシピを教えたことや昭和50年の新幹線の博多開通を機に東京への販路が格段に広がり知名度が向上したのです。

タラコの親にあたるスケトウダラ。タラコにもまだはらみ始めたばかりの段階から孵化直前まで5段階があり、ふくやの明太子は見た目に透明感があり、皮が薄くて卵の成熟した真子と呼ばれるものを使用しています。

建物の2階から工場の様子を見ることができます。こちらは原料のタラコをたれに付け込んで明太子にしていく過程。おいしい明太子を作るため、ゴールデンウィークにもかかわらず多くの方が働いてくださっています。

こちらでは手作業でパックに明太子を詰めていきます。ベルトコンベアを流れるパックに素早く詰めていくのですが、詰めていく明太子の重さにばらつきがあってはいけません。瞬時に適正な重さを判断してパック詰めしていくのは職人技です。

見学ルートには軽量体験をすることができるおもちゃが置かれています。仲間内で競争すると楽しいかもしれませんね。

こうしてパックに蓋までされた完成品を最終検品して各地に出荷されていくのです。

さて、1階まで降りていました。カフェでおまちかねの「明太子食べ放題」といきましょう。さまざまなメニューがありますが、食べ放題はいちばん上、「明太子食べ放題セット」。明太子のみならずごはんもおかわり無料です。

清潔感のある店舗で完成を待ちます。

来ました!「明太子食べ放題セット」。ご飯の上に載せられた明太子の大きさったら!こんなのうまいかすごくうまいかのどちらかしかないでしょう。

右上はふくやで販売されている明太子の加工品など。個人的には贅沢この上な魚卵の競演、数の子明太子がお気に入りです。

明太子の種類は4種類。左からのんから、マイルド、レギュラー、どっからで左から右に行くにつれて辛くなります。どっからも頂きましたが私的にはそんなに辛いとは感じずおかわりしました。辛さを加えないのんからとどっから、色が同じなのが意外ですね。

お茶碗に存在感抜群に横たわる明太子。これにだしをかけ、お茶づけにしていただきます。明太子独特の絡みが口の中に広がって…はぁ、至福。ご飯のお供というか、今日は明太子が主役です。塩分摂取量は見ないことにしておかわりします。

明太子をこれでもかと堪能したあとは「追い明太子」。おみやげ品を購入します。さきほどの明太子食べ放題でも提供された加工品のほか、明太子ラスクなどのお菓子も販売。明太子は加工しやすくいろんなものに混ぜることができます。2001年に山口福太郎商店が販売開始した「めんべい」は大ヒット商品になっています。

わたしは明太子ラスクを買って家で「追い明太子」しました。

博多から至近の距離にある「ハクハク」。福岡発祥の名産品の歴史を知り、味をこれでもかと堪能することができました。ゴールデンウィーク中も駐車スペースは満車になっていませんでしたので意外に穴場だと思います。明太子好きなら是非!一度訪ねてみてください。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2025年5月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。