こども家庭庁が2024年に行った調査では、15〜39歳の既婚者の約4人に1人がマッチングアプリで出会ったと回答しており、アプリ婚が激増しているそうです。
アプリ婚、今や4人に1人https://t.co/8qgOqeFKn7
効率的に相手を探せるため、存在感を高めるマッチングアプリ。ハラスメントの観点から職場恋愛を避ける傾向もあり、Z世代の間で人気です。便利なツールですが、注意点もあります。 pic.twitter.com/6PJu1yhhjj
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) May 11, 2025
マッチングアプリは、Z世代の「タイパ」や「コスパ」を重視する価値観と親和性が高く、合コンや職場恋愛の減少という時代背景も後押しして、効率的に条件に合う相手を探せるツールとして広く使われるようになりました。また、コロナ禍の影響で対面での出会いが難しくなったことも、利用の拡大につながりました。

Tonktiti/iStock
しかし、見落としてはならないのは、こうしたアプリ婚の比率の増加は、全体の婚姻数が激減していることによる相対的な上昇にすぎないという点です。
マッチングアプリで日本の結婚が増えぬ本質理由「上位3割の恋愛強者に便利なツールを提供しただけ」
> リアルで出会える人だけがアプリ利用でより多く出会えるようになるだけなのです。私が、「マッチングアプリは街のナンパのデジタル版でしかない」というのはそういうことです。 pic.twitter.com/fBA3LOVFYF
— SOU⚡️仮想通貨 / ビットコイン (@SOU_BTC) January 12, 2025
参照:マッチングアプリで日本の結婚が増えぬ本質理由 東洋経済
注目すべきは、マッチングアプリが広がることで“恋愛強者”がますます有利になり、“恋愛弱者”との格差が拡大しているという現実です。
たいへん興味深い婚活アプリの現状。これとか>「年齢差は100万円/1歳差で計算。5歳年下の女性と結婚するなら年収500万円、10歳差なら1000万円 」/突然選ぶ側になった恋愛弱者女性と、選ばれるハードルが高すぎる恋愛弱者男性を待ち受ける「マッチングアプリの罠」 https://t.co/ZpFdeJgac9
— 佐々木俊尚 大増刷決定の新著「フラット登山」絶賛発売中! (@sasakitoshinao) March 11, 2023
一方で、マッチングアプリならではの現象も生まれてきました。
私の知ってる、40代までで800万円以上あって身長170センチ以上で東京に住んでて変な宗教入ってない独身男性はみんな、自分のスペックを開示してる20代女性と結婚して行きました https://t.co/YVX46ssae4
— ゆな先生 (@JapanTank) March 7, 2025
しかし、婚姻数の全体的な減少という構造的な要因を無視してアプリ婚の広がりを評価するのは適切ではありません。実際、従来主流だった「職場」や「お見合い」、「友人の紹介」などによる結婚が大幅に減っており、その分がアプリ婚に置き換わっただけとも考えられます。
少子化の原因は一人っ子が増えたのではなく「独身が増えた」からなんですよね。
平成以降の自由恋愛主義が進んだ結果、一部のモテる男だけしか結婚できなくなりました。
ちなみに昭和以前は「お見合い結婚」が主流だったため、非モテや草食系でも結婚できました。 pic.twitter.com/UQ4LEszMyY— ムッチャ@ (@twister_masurat) January 5, 2023
婚活市場で男性は買いたたかれる傾向がますます強まっています。
年の差チー牛婚の事例です
左:
27歳、大手メーカー技術系
年収550万円
富山県富山市出身
富山大学大学院卒業
交際経験1人(社会人1年目)右:
31歳、中小企業事務職
年収400万円
北海道北見市出身
都内Fラン私大文系卒
交際経験8人、経験人数12人
元地下アイドル pic.twitter.com/YMWVdyBrFb— チー牛文学の人 (@cheeeese9d) March 19, 2025
※「チー牛」(ちーぎゅう)は、暗くて目立たない性格や見た目の人を指すネットスラングです。語源は「チーズ牛丼を注文してそうな地味な顔」の略称から派生しました。
つまり、マッチングアプリはあくまで既存の出会いの手段が細った中で登場した新たなツールにすぎず、日本の婚姻数を実質的に押し上げているとは言いがたいのです。結婚の減少の本質は、「お膳立て婚」の消滅と、それに代わる仕組みが不十分なまま自由恋愛に委ねられている点にあるといえるでしょう。
マッチングアプリでハイスペ男性と出会う女性が増えた末路 pic.twitter.com/tXV5KigjUP
— ゆな先生 (@JapanTank) January 4, 2023
昭和以前は「お膳立て婚」が一般的だったため、恋愛に不慣れな人でも結婚しやすい環境が整っていましたが、平成以降の自由恋愛の進行により、恋愛強者だけが結婚できる傾向が強まっています。