トランプ大統領と実業家イーロン・マスク氏の関係が、減税法案をめぐる対立をきっかけに急速に悪化しています。
トランプ大統領は5日、減税策を盛り込んだ法案に対して批判を続けるマスク氏に「非常に失望している」と述べ、不満をあらわにしました。
トランプ大統領、マスク氏との蜜月終了を示唆
・マスク氏は以前から好きだったが、批判に大いに失望した
・彼は大型減税法案について、誰より理解していたはずだが、ホワイトハウスを去ってから非難し始めた。自分にも矛先を向けるだろう
・私たちが今後も良好な関係を築けるかどうか、分からない… pic.twitter.com/52kNa6GHxE— Sawako Yasuda/Street Insights (@Street_Insights) June 5, 2025

トランプ大統領とマスク氏 ホワイトハウスXより
法案には電気自動車(EV)支援の削減が含まれており、EVメーカーである「テスラ」を率いるマスク氏にとって不利な内容です。マスク氏は「恩知らず」などと非難されながらも、SNSで法案への批判を繰り返し、「財政赤字を増やす法案だ」と主張しています。
マスクの不満は財政拡大ではない。トランプ政権はEV車の7500ドルの税額控除を無くしました。バッテリーと太陽光も30%の税額控除をなくしています。マスクのビジネスに大打撃です。ただこれは自業自得。トランプは地球温暖化を信じていないとずっと前から言っていますからね。https://t.co/5T7eMmHXDa
— Emin Yurumazu (エミンユルマズ) (@yurumazu) June 4, 2025
マスク氏は先月までトランプ政権で政府改革に関わる要職に就いていましたが、現在は政権との距離を置いています。トランプ氏はマスク氏に対し、政府契約や補助金の打ち切りも示唆し、応酬は泥沼化しています。
こうした対立の影響で、テスラの株価は一時17%超下落し、終値でも14%安となるなど、市場にも大きな波紋を広げました。
最悪の決算で上がったテスラ株はマスクとトランプのケンカで8%安。トランププレミアムが剥落するかどうか注目。 pic.twitter.com/RwvA1Mvfmz
— Emin Yurumazu (エミンユルマズ) (@yurumazu) June 5, 2025
さらに、マスク氏は宇宙船「ドラゴン」の退役を表明し、政府の契約解除に対抗する姿勢を示しました。また、新たな中間層政党の設立を問う投票をXで開始するなど、政界にも影響を及ぼし始めています。
マスク氏、新政党結成の是非で投票実施 https://t.co/FZL7icRrXw
— ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (@WSJJapan) June 5, 2025
対立は深まっています。ふたりの性格から修復はかなり難しそうです。
「私がいなかったらトランプは負けただろう。恩知らずにもほどがある」とマスクは投稿していますね。完全に終わったようです。 pic.twitter.com/y77kiZp63C
— Emin Yurumazu (エミンユルマズ) (@yurumazu) June 5, 2025
マスク氏とトランプ大統領の経済思想が真逆だったことは以前から指摘されていましたが、ふたりの関係の決裂はアメリカ経済にどんな影響を与えるのでしょうか。
トランプの重商主義は、ヴァンスやマスクのリバタリアニズムとはまったく逆。マスクがトランプに反旗をひるがえして関税をつぶせば、アメリカ経済は成長できる。 https://t.co/RhkQuV6VRG
— 池田信夫 (@ikedanob) April 6, 2025






