医療費拡大を掲げる女医を擁立?:国民民主の改革放棄宣言に失望の声

国民民主党は、今夏の参院選・大阪選挙区に30歳の医師・渡辺莉央氏を公認候補として擁立し、本人も記者会見で立候補を表明しました。しかし、「もっと医療にお金を使うべきだ」という渡辺氏の主張に対し、「手取りを増やしてほしい現役世代の思いと逆行している」として、国民民主党に対する失望の声が上がっています。

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渡辺氏の政策は「持続可能な医療」「人材の処遇改善」といった聞こえの良い言葉で飾られていますが、要は「もっと医療に金を出せ」という既成政党と同じ要求にすぎません。

社会保険料にあえぐ現役世代からすれば、これ以上の医療偏重は生活を直撃する深刻な負担増です。

演説する渡邉莉央候補 玉木雄一郎代表Xより

「医療現場の声を国政に」と語りますが、実態は初期研修レベルの医師経験に過ぎず、「医療従事者」の看板を掲げて政治に挑むには説得力を欠きます。

このような候補を擁立したことで、国民民主党は「医療費削減」の方向から大きく舵を切ったようにも見えます。無駄な医療を見直し、限られた財源を必要なところに振り向けるという本来の改革の道筋は、より遠のいたと言わざるを得ません。

玉木代表は「若い世代の声を届けてほしい」と期待を示しましたが、候補者の語る「安心して暮らせる大阪」は具体性に乏しく、財源論は完全にスルーされたままです。夢と耳障りの良い言葉だけが先行し、現実の医療構造のひずみには触れませんでした。

もともと国民民主党は維新を離党した足立康史氏の擁立を模索していましたが、連合の反発で比例代表に転換しましたその代わりに選ばれたのが、「若さ」と「肩書」を前面に出した渡辺氏です。これでは医療改革どころか、既得権の温存と拡大にすら見えてしまいます。

大阪選挙区は他党の候補も乱立し、激戦が予想されていますが、「医療費の見直し」に取り組む気がない候補に票を託すことが、果たして市民にとって幸せなのか。有権者の冷静な判断が問われています。

【渡邉氏の出馬会見での挨拶 同氏Xより】

皆さん、はじめまして。渡邉莉央(わたなべりお)と申します。今回、国民民主党から、参議院選挙に出ることを決めました。

私は今まで、医療の現場で働いてきました。そこで見たのは、病院や医者が足りなくて、みんなの命を守るのがどんどん大変になっているという現実です。

ここ大阪でも、医者や病床が足りなくて、救急車を呼んでもすぐに病院に入れないことがあります。国や市の決まりごとが多すぎて、病院や福祉のための予算が足りず、運営が大変になっているところが出てきています。

だからまず、それぞれの地域において持続可能な医療や介護の体制をつくることが何より大事です。

実は、日本では8人に1人が医療や福祉の仕事をしています。そういう人たちの給料を上げることも、国民民主党の大事な役目です。人生100年時代に向けて、医療・福祉・介護を担う方々をしっかり支えていきます。

今、大阪は、万博やインバウンド観光でにぎわっていますが、これからは人口が減ったり、高齢の人が増えたりします。私は、お金もうけだけを目指す大阪ではなくて、みんなが安心して暮らせる大阪にしたいと思っています。

そのためには、医療や福祉をただ削るのではなく、「未来への大事な投資」として考えることが大切です。

また、同世代の若い人たちが、安心して子どもを育てられる町、大阪をつくりたいのです。

私は政治の経験はありません。人前で話すのも苦手です。でも、医療従事者の仲間に「あなたの声を国に届けてほしい」と言われ、また、友人たちからも「30代の普通の人の声を国会に届けてほしい」と言われ、このチャレンジを決めました。

私の姿を見て、若い人たちも「政治って自分に関係あるんだ」と思ってほしいし、自分の声をあげてほしいです。

頑張ります。どうか私に力を貸してください。