アラン・デュカス・バカラ(パリ16区)

20年以上前から、クリストフ・サンターニュの料理を、「オ・リヨネ」、「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」、「ル・ムーリス・アラン・デュカス」、独立後は「パピヨン」で愛でてきた。そして今また、グループ・アラン・デュカスに戻り、ここ「デュカス・バカラ」の厨房に立っているクリストフ。

ハロー、クリストフ

ムッシュ・デュカスとクリスタルメゾン「バカラ」が披露するレストラン。優美な館の内装にブリュットコンテンポラリーな雰囲気を加味して、前のレストランと全然違う雰囲気になって新鮮。

バカラクリスタルが、テーブルの上はもちろん天井にもふんだんに使われていて、キラキラ美しいこと。

いるだけで、テンション上がるね〜!と、”ミル・ニュイ”のフルートに注がれたシャンパーニュで乾杯。

座ると、上からバカラの雨が降り注ぐような感じで、とても素敵

美しいバカラグラスで、シャンパーニュがいっそう美味しく感じる

ムッシュ・デュカスの各店で見たことある多くの食器との再会を楽しみながら、感動というか心打たれる料理の数々。

焼き栗のバターコンフィやカラスミとインゲンのマリアージュにときめき、鴨ブイヨン&キャベツというムッシュデュカスの子供時代の記憶を共有し、プロヴァンス食材の一見シンプルな、でも食べると驚愕のマリアー

ジュとおいしさに震え、ホタテ&金柑&オリーヴオイルの食材力にムッシュデュカスの哲学を感じる。

焼き栗コンフィ、素晴らしい

ムッシュ・デュカスのおばあちゃんの味である鴨&クリストフらしい牡蠣

かぼちゃ系と、今日一番感動した、”プロヴァンスの庭”

感動のおいしさ

今日2番目に気に入った、ホタテ、金柑、オリーヴオイル、コリアンダー
食材力に完全フォーカスした、これまた感動の味
器と食材の色の共鳴もとてもいい

複数料理を一緒に出すのは、ムッシュデュカスの味見スタイル
右は、タラ、貝、アーティショー、メラノトリュフ
そろそろトリュフも名残ねー

仔羊&ほうれん草

アントニーのフロマージュ
お皿、かわいい

なんというか、とってもセンチメンタルで、これまでのムッシュデュカスを回顧しながら原点を確認しつつ未来を見る、みたいな感じ。1996年来体験してきた様々なデュカス各店の味が脳裏に蘇ってきて、ちょっとじ〜んとしてしまう。

ムッシュ・デュカスがシェフになりたての頃のお話を綴った小冊子
あの時代の雰囲気を思い出して、じーん

おいしかったよー、クリストフ
ムッシュ・デュカスのADNを強く感じた

クリストフとおしゃべり後(モナコは「ル・ルイ・カンズ」のエマニュエル・ピロン讃歌で盛り上がる)は、お楽しみ、おやつ時間。1月にいただいたガレット・デ・ロワがとてもおいしかったので、デセール、楽しみにしてきた。

アヴァンデセールのセロリ(セロリ自体のおいしさがすごい!)に続き、カフェが主役のデセール。食感&温度絶妙で、砂糖の気配ゼロなのにふんわり甘くて素晴らしい。食後のサブレも、ナッツ自体の旨み満載でお見事。

見た目も味も素晴らしい、アヴァン・デセール

ものすごく完成度高いカフェのデセール

最後はザクザクサブレをトンカチでトントン

おいし〜よ〜、パティシエくん!
ここのシェフパティシエールさん、現在おやすみ中とのことで、1月のガレットパーティーも今日も、手下のピエール=アレクサンドルくんにブラヴォー。

奥のテーブルで、3000ml入りシャルトリューズの瓶を肩に乗せて素敵なサーヴィスしている。わー、あーやって注ぐんだねー、って見惚れてたら、ゲストが私たちにもご馳走してくれる。

エレガントな”ロアン”のショットグラスに注がれる草色のシャルトルーズ、良い香り〜。ショットを掲げて、奥のお客様にメルシーボクー。友も私も、シャルトリューズ好き、にっこり最後の乾杯。

サーヴィスの様子

個室、右におっきな窓があって厨房見られる

左側は広いテラス
夏に来たい

調度品のアンティーク
ムッシュ・デュカスは蚤の市巡り大好き

素敵なランチタイムの終了。

この美しい館から出るのが名残惜しく、バーやカーヴを見たり、個室や宴会場見学したり、バカラブティック覗いたり、階段に飾られた巨大なシャンデリア眺めたりしながら、余韻に浸る。

バーサロンドテ
奥のカーヴが素晴らしい

舞踏会サロン
20世紀半ば、館の持ち主ノワイユ夫人はここでプーランクやジャコメッティらをもてなしていた
想像するだけでうっとり

昔あった美術館スペースは、ブティックになった
ホールの一隅に、ちっちゃなミュージアムスペース
バカラのアーティーオブジェが飾られている

またね、デュカス・バカラ

今度は夏、お庭のレストランがオープンしたらまた来たいな


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々6」2025年2月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々6」をご覧ください。