黒坂岳央です。
仕事でもプライベートでもミスや失敗が「許される人」と、「そうでない人」に分かれる。まったく同じような過ちを犯しても、厳しく注意される人がいる一方で、温かく言われるだけの人もいる。なぜこのような違いが生じるのか?できることなら誰しも、「許される側」へ行きたいものである。
筆者はサラリーマン時代、そして独立した今でもそのような違いを見ることがあり、この記事は筆者の考察を記したものである。

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許される人の特徴
許されやすい人にはどんな特徴があるのだろうか?
1. 将来性を感じさせる人
「この人はこれからまだまだ成長する」と感じさせる人は許されやすい傾向がある。たとえば間違いを指摘されると、「申し訳ありません。気を付けます」と反発せず、いったん素直に受け止めて改善する姿勢を持つ人だ。傾聴の姿勢があり、反省の意を示す人は許されやすい。
その理由として周囲は「応援したい」とか「成長してもらって戦力になってもらいたい」いう気持ちになるからである。また、そのような有望な人を応援するポジションを取ることで、自分も間接的に組織に貢献したり相手を育てる感覚が得られるという理由もあるだろう。
2. 愛嬌がある人
いつでも笑顔で元気、挨拶をしっかり行う愛嬌がある人は許されやすい。こうした人は年齢に関係なく、親しみやすさがある。
このような人は、周囲に好印象を与え、注意は注意するのがためらわれる。誰しも小さな子供を厳しく注意して、笑顔を壊したくないと思うように難しいのと同様に、愛嬌がある人の笑顔を壊したくないという心理が働くのだろう。
特に中高年はただ真顔でいるだけでは、相手に不機嫌な印象を与えてしまいがちだ。意識して笑顔を作る習慣を持っておきたいものである。筆者は努めて「笑顔で元気に挨拶」を一層心がけるようにしている。
3. 借りがある人
そして過去に周囲に助けを提供したり、フォローしたりした経験がある相手にも優しくなりがちだ。
仕事をする以上、誰もが助け、助けられる関係性になることが多い。そしてミスは誰にでもある。
しかし、過去に助けてもらったという借りがある場合、「この間フォローしてもらったから」と多少のミスも多めに見てもらえる。これは、人間関係における「恩返し」の心理が働くためだ。
4. 利他的行動を取る人
そして自分のためというより、チームや他者のために頑張る人も許されやすい。いわゆる利他的な行動がこれにあたる。
こうした人は周囲に感謝や尊敬の念を抱かせ、ミスに対する寛容さを生み出す。滅私奉公で仕事を頑張る人は許されやすいのだ。「この人、いつも頑張っているからちょっとくらいミスはあるだろう」と解釈されやすくなるのだ。
許されない人の特徴
一方で、許されない人にも特徴がある。これらの特徴に当てはまると、周囲に不信感や反感を抱かせ、ミスや失敗が厳しく評価される原因になることが多いので気をつけたいものだ。
1. 言い訳が多い人
注意しても「自分は悪くない」と自分の非を認めず、改善の意欲を示さない言い訳が多い人は「改善の見込みなし」と判断され、誰にも注意されなくなる。特に新人は気を付けたほうがいいと思っている。
基本的に若手は経験不足からミスが多く、周囲からも許されやすいのだが反発したり、言い訳が多いと「この人はダメだ」と戦略的放置されれば、もう注意をされなくなってしまう。
こうなると表立って誰からも注意はされなくなるが、周囲の評価も信用も低くなり、いざミスをする時にも温情を感じない冷たい指摘になってしまうのだ。
2. 利己的な人
自分の仕事の責任の範疇しか興味を示さない人は厳しくされやすい。会社という組織で働く場合、自分の仕事の責任の範囲は決められているのが普通であり、場合によっては勝手に権限外の仕事をすると越権行為になる場合もある。
もちろん、そのような原則を踏まえた上でもなお、それでもできればチーム全体に貢献する姿勢は見せるのが人情というものだ。同じラインの同僚や上司が困っていても、「自分の仕事は終わったので」と一切貢献する姿勢を見せない人は「許され力」が低い。
「自分の仕事が終わったから最低限の義務は果たした」と一切他者を見なければ、いざ困った時に誰も助けてくれなくなる。
こうした話をすると「他人なんて助けるだけ損」と打算的な考えをする人も多いのだが、今は大丈夫でも、未来はどうなるかわからない。なので自分に余裕がある時は、なるべく周囲を助ける意思を見せておくことは将来の自分を救うことにもつながると思っている。
◇
人間関係を円滑にし、許される人になるためには、普段から周囲に対する配慮や協力の姿勢を持つことが大切だ。
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