私はもともと自公維連立など提案したくないが、今回の選挙結果を踏まえたら、安定政権をつくるには、これくらいしか方策はないと思うのだ。
状況を整理すると、衆議院では自民・公明に国民民主、維新、立憲のどれかが組んだら過半数だった。それが、今回の参議院選挙の結果、参議院でも同じことになった。参議院では和歌山の無所属で2足らないだけだが、参議院だけ別の組み合わせにすることは意味がない。
それから、衆議院では解散したら自公で過半数とれるが、参議院では三年間選挙がないし、三年後は安倍襲撃事件のあと自民党が大勝した人たちの改選だから、自民党が増えることはほとんど考えられない。
もうひとつ、考えねばならないのは、連立を組むなら、小選挙区で候補者調整しないならおかしいことになるから、それがやりやすいところでなければならない。自公がうまくいっているのは、得票率からすれば60選挙区くらいで候補を出せる公明がわずか11で我慢しているからだ。
となると国民民主・維新・立憲のどこが候補者調整に応じることが現実的かといえば、維新なのだろう。
現在、公明は24議席、維新は38議席だから、目安としては、公明が11選挙区なら維新は15くらいとなるはずだが、現在でも維新は23選挙区で当選させているので、30くらいでないと承知しないだろう。
ややこしいのは、大阪で19選挙区すべてで維新が勝っていることだ。その前の選挙では公明の4に対しては維新は対立候補をだしていなかったのだ。
そうなると、現実的にはそのうち2-3選挙区は公明に返し、さらに自民党に1選挙区くらいは譲ることだ。そのかわりに、維新が現職になっているところには、自公は対立候補を立てない。さらに野党が現職である10ないしもうすこしの選挙区ほどを維新に渡すということで取引できないか。
大阪のことは、自民、公明、維新とも比例代表枠を使うことで、出馬できなくなった候補者の処遇はできるだろう。そして、維新は閣僚ポストを1得る。あるいは公明も増枠して2ずつでもよい。
総理についてあえて斉藤鉄夫臨時首相といったのは、こうなったら石破サンに総理を辞めてもらわねばどうにもならないが、いますぐ総裁を決めても挙党一致の反撃にはならない。それなら、秋までは総裁選挙を延期して、準備万端し、これまでの反省も入れて選挙制度も少し工夫して、しかるべき新総裁を選んだ方が良いと思うからだ。

斉藤鉄夫代表と石破首相 令和6年12月 首相官邸HPより
そうなると村山富市首相の故事にならってとりあえずは、公明党から首班はだしてもらったほうがいい。公明党の総理というと、山口那津男元代表を首相にという声はすくなからずあった。ともかく隙もないし外交経験も豊富でうってつけだった。
ただ、当時は公明党がどちらかといえば、しっかり組織を固めたいというので、もっと閣僚ポストを要求できるのに、1だけでよいという姿勢だったから、難しかった。
しかし、いまや公明党も創価学会外の人たちに少しアピールして幅を拡げる必要も出てきている。そうなれば、公明党をよく知ってもらうためにもいいことではないか。
幸い斉藤鉄夫代表は、プリンストン大学Ph.Dだし、元ゴールドマンサックス執行役員の岡本三成さんに補佐してもらえば外交はできる。内政は自民党から、たとえば、岸田前総理にでも副総理で入閣してもらって主導権をとってもらえばいい。岸田・斉藤なら広島コンビで意思疎通はしやすい。
そのうえで、自民党の新総裁が決まったらすぐに首相は大政奉還でもいいが、私は何ヶ月か準備をしてからでもいいと思う。
そうして自公維で衆参両院の過半数は安定するから、あとは、三年後に衆参同時選挙でもして必勝を期してはどうか。三年間、じっくりと体制立て直しをするべきだ。
もちろん、国民民主という選択もあるが、私は国民民主には二大政党制に近いものを実現する核になってほしいし、それと選挙区調整の難しさもあるから気が進まない。






