「働くことはかっこいい」を取り戻せ:識学が挑む「働く価値」の再定義

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取材ということで株式会社識学の記者発表会に行ってきた。

私は栄養ドリンク・リゲインの昔のCMである「24時間働けますか?」世代の人間である。カラオケでは「勇気のしるし」を歌ったりもする。

勇気のしるし~リゲインのテーマ~/牛若丸三郎太
昔のCDを片付けていたら、出てきました。懐かしのCMソング第3段です。牛若丸三郎太こと、時任三郎さんが夜のヒットスタジオでも歌われたくらい、当時ヒットした曲。→アップしました^^; 

だからこそ共感できるのかもしれないのだが、代表の安藤社長とも共通の危機感を持っていることもあり、記事にしてまとめさせてもらった次第である。

私が危機感を持っている問題とは、日本という国自体の地盤沈下である。

ジャパン・アズ・ナンバーワンとバブル崩壊前はいわれていたものの、2024年には38位に落ち込んだ。G7では最下位、あのイタリアよりも下である。韓国にも負けておりその差は埋まる気配はない。

これは単に円が弱くなったということではなく、一人あたりの購買力を示す購買力平価ではすでに2015年に韓国に抜かれているのである。

【日本はなぜ韓国に1人あたりGDPで抜かれたのか】問題だった日本の内外価格差解決策、経済停滞へと進んでしまうのか
韓国の為替レートでの1人当たりドル建てGDPが2023年に日本を追い抜いたことが話題になっていた。しかし、国民の生活水準をより良く表す1人当たり購買力平価GDPでは15年にすでに抜かれていた。この動きをどう考えたら良いのだろうか。

かつて先進国として繁栄していたものの、発展途上国に転落した国がある。

アルゼンチンだ。

先進国から転落するということはありうるのだ。私は日本もアルゼンチンとは経緯は異なるものの、いずれそうなるだろうと思っている。

その理由は少子高齢化である。労働人口が減るだけでなく、高齢化によって介護や医療といった産業に労働力を取られることによって、衰退が加速することは避けられない。

ロボットに期待する向きもあるが、この種の自動化はマンパワーを要し、定型化が難しい産業には不向きである。

もう一つの要因がある。それは「働く」ということを馬鹿にする風潮が更に地盤沈下を加速させていると考えているわけだ。

額に汗して働くことを軽んじる、FIREといった働かない生き方をかっこいいと考えるそんな風潮は衰退を加速するだろう。

日本は実際に働かない国になっていることは数字からも裏付けられている。休んでも生産性が上がればいいじゃないか?といわれつつも、一人当たりのGDPは諸外国に抜かれていっている。休んでもその分生産性は上がっていないのである。

私は子どもに将来「日本という国を出ていっても生きていけるようにしないと危ない」と言ってきた。それもあって、子どもは外国語を習得し、海外で働くようになったので良かったと思っている。

識学の安藤社長はまさしく働かなくなったことが国を衰退させたと考えており、これをどうにかしなくてはならないと発表会では訴えていた。

「ワークライフバランス」を再定義するべきで、まずは「ワーク」があってそれを起点としてライフのバランスとるという考え方である。「ワークライフニューバランス」と命名していた。この命名はスポーツブランドのニューバランスみたいでちょっとあれなのだが、いわんとしていることはよく分かる。

人間というものは働くということがまず第一義で、働くことで生活の糧を得ることができ、それで豊かな暮らしが実現できるという考えである。

昭和といえば昭和な感じもするが、原点回帰というか私としてはまっとうだと思うわけである。

私の両親は自営で飲食業を営んでいるのだが、日々汗を流して泥臭く働いている両親を私はかっこいいと思っていた。そして「働いているから、生きていくことができる」ということを、子供の頃から肌身にしみて感じながら私は育ってきたのである。

それは大きな会社であっても本質は同じだろう。みんなが働かなくなったら、もっと優れた商品やサービスを提供する世界中の他の会社に負けてしまう。その結果、一人ひとりも生きていけなくなるのは一緒だ。

もう一度、働いていることをかっこいいと思える社会を作りたい。という思想には大いに共感するのはこのような理由である。

もう一度「働くことはかっこいい」と思える社会を作るために、一人ひとりが働く上での様々な困難を解決するというサービスが、今回紹介されていた新しいサービスのHYO-SHIKIである。

HYO-SHIKI | 時代に流されない人生の主導権を | 識学 | マネジメントコンサルティングと評価制度構築で仕組み化を伴走支援

月間550円(税込み)という金額は、会社としての利益を期待しているものではないとのことである。確かに、この金額だと損益分岐点に達するのは非常に難しいだろう。このサービスを頑張るよりも、本来の管理職向けのコンサルティング事業に注力したほうが確実に儲かるはずだ。

といったわけで、私もこのサービスに登録してみた次第である。第一回目のライブでは働くうえでの様々な悩み事に、吉原氏が一つ一つ答えていた。会員数が少ない今のうちがひょっとしたらお得かもしれない。