今更感の「731部隊」の上映延期:前評判の悪さより中国政府の石破首相への配慮か

伊東市の田久保真紀市長の「辞める、辞めない」発言は何処で着地するのかわかりませんが、田久保氏支持派は図書館とメガソーラー建築反対派であるからでしょう。彼女の経歴を見る限り一種の運動家のようにも見えます。その図書館ですが、確かに伊東市に42億円もかけた図書館が必要かと言えばNOなのです。図書館の本質は「側より中身」です。私も東京の家の近くにある区立図書館にたまに行くのですが、本が古い、ぼろい、読みたいものがないのパーフェストセッティング。カナダの図書館の方が日本の本が充実しています。理由は本を刷新しており、サーキュレーションの低いものを書架から降ろし、古い書籍は廃棄しているのです。納書している私がいうのですから間違いないです。図書館は面白い本をどれだけ入れるか、それがキーなのです。

それでは今週のつぶやきをお送りします。

株というのは実にひねくれものである

♬株式市場はsummer breeze♬と軽快なトーンで書きたいところですが、頭を抱えている方もいらっしゃるでしょう。私もその一人。ソフトバンクGが9割所有するArmを少々持っているのですが、決算を受けて12%超の大幅下落。決算は想定の範囲でしたが、先行投資が膨らんでいることで見かけ上の決算が悪くなりました。普段なら飲み込める内容です。このところ話題だったミーム株、オープンドア、クリスピークリーム、ゴープロといった普段は目もくれない銘柄が短期間で何倍にも買われていましたが、あっという間に爆売りされています。

日本ではもっと難しい状況が生じています。半導体関連は気をつけろと2週間前に述べましたが、東京エレクトロンがS安を付けるなどあり得ない下げ展開となっています。市場の解釈も半信半疑で辻褄合わせの理由が並びます。もう一つ、好決算だった日立の8%超安もひねくれています。直近に史上最高値をつけていたので投資家心理は「もう腹いっぱい」という売りがかさんでいるものと思われます。確かに私は小刻みに利確をした方が良い状況と申し上げておりましたので今改めてそれが正解だったということになります。

さて、本日発表になったアメリカ7月度雇用統計は事前予想を大きく下回る7.3万人増。それよりも衝撃なのは5、6月分が下方修正され、それぞれ1.9万人、1.4万人になったこと。驚くのは当初発表された数字の約1/10になっており、統計の信憑性を疑う内容であります。とりもなおさずトランプ氏が関税という刀を振り回して大暴れしていた時とタイミングはあっています。アメリカ経済は実は相当疲弊している可能性が出てきてしまったとすればSummer Breezeどころか、既に冷たい秋の気配が漂ってきたのかもしれません。

今更感の「731部隊」の話題

中国で映画「731」の上映が延期されたようだと報じられています。予告編の内容がおどろおどろしいことと残忍なシーンがありそうな点が批判されたようですが、むしろ中国政府の配慮ではないかとみています。つまり中国側から見れば日中友好の流れを作っており、一部を除く日本の水産品や加工物も輸入禁止が解除されました。中国に友好的な石破氏らが辞めずに頑張っていることから私は中国政府による「石破エール」ではないかとすら思ったほどです。

世界では残忍なことが現在でも各地で起きています。中国も香港の弾圧は酷く、その前は文化大革命に天安門事件、ウイグル問題などいくらでもネタはあるのです。なのになぜわざわざ731なのかといえば日中戦争の間に起きた話題性のある問題の中で731だけは証拠ネタが限られていて想像力が膨らむからでしょう。石井四郎大佐がロシアが攻めてきたとき物証を全て燃やしたこともありますが、中国側の確たる証人も少なく、噂や物語が先行しているというのが実情です。(南京事変も同様ですがそれよりもひどいと思います。)

中国で「僕のヒーローアカデミア」のキャラクターに扮したコスプレをしていた中国人女性が糾弾されたと産経が報じています。これ、産経には書いていないのですが、ヒロアカに「志賀丸太」というキャラが登場するのですが、丸太⇒マルタ⇒731の時の実験用捕虜という連想があり、ヒロアカがかつて糾弾され、作者が謝罪し、名前を殻木球大に変えたという経緯があります。丸太という名前が普通かどうかはともかく、中国にはそういう悪い癖があるのは事実。制作した映画もそのままお蔵入りになるのか、「抗日勝利80周年」で封切のタイミングを計っているだけなのかわかりませんが、731の事実関係がよくわからないのですからその画像に出てくる内容もどれだけ信憑性があるか、怪しい点は大いに間引く必要があるでしょう。

オルツの不正会計と倒産

24年10月上場からわずか10か月で倒産したオルツ。私には2つのがっかりがあります。1つはクローン技術では日本の先端を走っていたと報道されてきた点でそれは本当だったのか、という疑念です。もう1つは創業者の米倉千貴氏の兄を知っていて、彼ともオルツの話を何度もしたことがあり、応援をしていたのです。兄は上場前、一時、オルツの副社長にも就任していましたが辞めてしまい、自分の世界をエンジョイすることにしたようです。今ではバンクーバーの奥地に引っ込んでしまっています。

オルツは何を売っていたのか、といえばクローン技術ではなく、議事録ソフトの販売でした。「えっ?」と思うでしょう。私もそう思いました。社員20名程度でクローン技術を開発しながら経費を賄うにはよほどの出資者がいないと無理なのです。だけどオルツは上場という道を選んだのです。出資という点ではよさそうに聞こえます。あるいは社会的信用もできそうです。しかし、上場は制約が多いのもまた事実なのです。圧倒的技術の開発はふんだんな予算を使える環境ではないと今の時代は勝てないのです。マンション一室で雑魚寝しながら頑張ったというのは堀江貴文氏のライブドアの創業話を含め日本の象徴的美的苦労話なのですが、私から言わせればそんな90年代00年代の話、今さら何を、ということになります。

それにしても売り上げの90%が架空というのは実態がほぼなかったとも言ってよいのでしょう。ではクローンの話は何だったのか、日経も何度か同社を取り上げてきましたが、取材記者もけむに巻いたということなのでしょうか?そうだとすれば米倉氏は相当の名役者であったと言えましょう。日本には新興企業が多すぎ、一時期東証は上場会社数を「産めよ増やせよ」的な経営方針にしていた時期もあり、質の悪い会社に化粧を塗りたくり、きれいな服を着せて「どう、私、将来性あるのよ、株、買わない?」と謎の誘惑に太鼓判を押していたようなもの。東証改革はもう少し、シビアにやらないと真の意味の投資家が日本から本当に逃げてしまいます。

後記
私は今から「アニメレボリューション」というバンクーバー最大のアニメイベントに3日間出店します。地獄の3日です。理由は開催時間が長い上にもの凄い人で品出しする隙間すらないほど込み合うのです。場所は入り口から2番目。好立地です。全部で150程度の小売り店舗のうち、日系の出店者はせいぜいあと1つだと思います。(出店枠が限られるため、日本からの出店や日系企業が全く入れないのです。これが世界最大級のロスのアニメエキスポとの違いでもあります)ホロライブミニショーなど夜中までイベントがぎっしりでコスチューム姿がまぶしく私にとっては一種の非日常の72時間、ヘロヘロになりながらも楽しんで参ります。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年8月2日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。