2025年に入り、米国の大手テクノロジー企業を中心に、人員削減の動きが加速しています。1〜7月に解雇・レイオフされた人数は約9万人に達し、前年同期から約4割も増加しました。
米テック、好決算でも9万人削減 AIで高まる技術者選別の荒波https://t.co/deHllcqHzo
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) August 4, 2025
こうした動きは一見すると企業業績の悪化に起因するように思えますが、実態は逆で、アップル、マイクロソフト、アマゾンなど主要5社は軒並み増収増益を記録し、4〜6月期の純利益合計は1151億ドル(約17兆円)に上りました。つまり、好業績にもかかわらず、企業は積極的に人件費の削減に乗り出しているのです。

Jean-Luc Ichard/iStock
背景には、AI(人工知能)の進化と、それに伴うビジネスモデルの変容があります。マイクロソフトのナデラCEOが語るように、既に「コードの2〜3割はAIが書いている」とされ、エンジニアや販売部門、さらには間接部門に至るまで、人手を必要としない体制が整いつつあります。
マイクロソフトは過去最高益を出しつつ1.5万人を削減し、AI時代への対応と説明。多くのテック企業がAI投資の原資として人件費を削減しリストラを正当化しているのが実情。今は一部の企業でAIを口実とした再編段階にすぎず、多くの産業で本格的にAIが雇用を奪うのはこれから。 https://t.co/A7o3zjvpNr
— 朝倉智也(Tomoya Asakura) (@tomoyaasakura) July 30, 2025
企業はこの変化をコスト構造の見直しと再投資の好機ととらえ、AI関連インフラ(高性能半導体やサーバー)への投資を優先する一方で、余剰人員の整理を進めているのです。
もうビッグテックしか勝たん世の中がきてる。マイクロソフトはクッソ儲かってるのに15,000人リストラだぞ?言うまでもなくAIの登場のおかげだ。ビッグテックに勤めるような、一般レベルよりは遥かに優秀な社員ですら、容赦無く切られる。それがAIのパワーだ。そろそろ自覚した方が良い。
— ゆきママ (@yukimamax) August 1, 2025
ただ、今後の構造変化が避けがたいことも事実です。国連はAIが世界の40%の雇用に影響を与えると予測し、金融業やメーカーといった非テック企業も、AI導入による人員削減を見込んでいます。特にホワイトカラー業務のうち、通訳・翻訳、プログラミング、編集、研究など、情報処理・伝達を伴う職種は、AIとの相性が良く代替の対象になりやすい傾向にあります。
マイクロソフトが出したAIが取って代わりやすい仕事、代わりにくい仕事一覧。学者、通訳者、分析、アナウンサーetcはAI行き。代わりにくい仕事は看護師や危険物取扱業者、ガソスタや工場オペレーターetc。Artificial Intelligenceの出現は知性のデフレ。これが今までの革新的技術と大きく異なる所。 pic.twitter.com/WUM8TwxLli
— kokko (@kokko_coco) July 31, 2025
日本人はまだ気づいていないが、もう既にアメリカを中心とした諸外国ではAIの代替に備えてホワイトワーカーのリストラ/新卒の雇い止めが大量に起き始めている。しかし、ブルーカラー業務は未だ人手不足なのでロボット導入が本格化するまでの間は現場仕事に従事する人間が急速に増えるだろう。こうなれ…
— NEW (@sutoroveli) June 7, 2025
一方で、介護や清掃、建設などの物理労働、または経営幹部など人的な判断や影響力が重視される職種は、当面はAIによる代替が難しいとされます。
中国の建設作業員はエアコンの効いた部屋でリモートワークするのがトレンドらしい。パソコンで作業できるなら極めて自動化しやすい。ブルーカラー系もいずれAIが担うようになるのは既定路線かpic.twitter.com/krCYSkV0nS
— 石川陽太 Yota Ishikawa (@ytiskw) July 14, 2025
【速報】倉庫内での複雑な操作が可能な車輪付きAIロボットをROBITICSが開発。倉庫内での部品仕分け、運搬、トレーラーの押し出しといった自律的なユースケースでのあらゆる可能性が期待される。ブルーカラーの業務もどんどんロボットが侵食していくだろう。
pic.twitter.com/cDg2JXWxed— NEW【世界ニュース】 (@sutoroveli_news) July 10, 2025
このように、AIの影響は職種によって大きく異なり、自動化が即座に雇用の消失を意味するわけではありません。企業がAIを補助として使うのか、それとも完全な自動化へと移行するのかは、その戦略と経営判断に依存します。
一方で、この「AIリストラ」の正当性には疑問の声も上がっており、「都合のよい説明」として使われているという指摘もみられます。いずれにせよ、日本ではAIを使う社員の方が追いついていない状況はもうしばらく続きそうです。
年会費24万円のJALの高級クレカのサイト、使ってる画像がAI生成なせいでポップコーンにストロー突き刺さってたりフォークが異形すぎたりしてとても味わい深いhttps://t.co/gMt5fymobs pic.twitter.com/rdxBUY1DAX
— たゆる (@ta_yu_ru) August 1, 2025
人員削減ができないのであれば、AIの導入は進みません。結果として日本人の賃金が下がってしまいます。IT化のときも同じようなことが起きました。ここでもボトルネックは雇用問題になりそうです。
逆に言うと人が減らせないのならAIの導入は進まない。とはいえ海外の「AIで人を減らした企業」と同じ土俵で勝負するなら賃金だけは下がる。ITの時もそうだった。 https://t.co/lgTeTzIp5r
— jo shigeyuki (@joshigeyuki) June 17, 2025






