石破首相は、ようやくコメの価格高騰の原因が生産不足にあると「気づいた」ようで、長年続いた生産調整から一転、「増産」へと政策の舵を切ると表明しました。さらに輸出拡大にも意欲を見せ、国内にコメが足りない中で「外にも売ろう」という強気な姿勢を見せています。
政府がコメの生産量なんか決める必要はない。
戦後80年たっても、食管制度が頭から抜けてない。 https://t.co/ykrfgvqR0y— 池田信夫 (@ikedanob) August 5, 2025
政府は今後、主食用米を作る農家を支援し、大規模化や法人化を進め、中山間地への支援制度や耕作放棄地対策までやる気を見せています。ただし、こうした政策が実際に成果を上げるかどうかは、まったくの未知数です。
農業人口を増やす政策なんてもっと無責任だ。農業人口は今の1/10に減らし、生産性を上げるべき。
農水族の政権に対して、野党も農協を恐れてコメの輸入自由化をいわない。与野党ともに腰抜けばかりだ。 https://t.co/1mnPcHTHge— 池田信夫 (@ikedanob) July 4, 2025

石破首相 首相官邸HPより
小泉農相は、生産調整を行わない方針を明言し、水田活用の交付金制度も見直すとしています。主食用米を作らないことへの助成ではなく、作物ごとの生産性向上に基づく支援へと転換する考えです。野第一党も含めいかなる状況になっても輸入拡大は阻止したいようです。
今朝の朝刊各紙。日米合意のコメについて「輸入拡大」「輸入促進」と大見出し。誰のためにこんなメッセージを強調したいんだろう…。合意の最大のポイントは「77万トンの総量維持」「主食用米にも回らず」「更なる輸入米増加阻止」です。日本の交渉チームは「農業を犠牲にしない」という交渉姿勢を有言… pic.twitter.com/KPycQCPCyD
— 小泉進次郎 (@shinjirokoiz) July 24, 2025
首相は天候リスクへの対応として渇水対策の連携を指示し、価格安定のため流通の透明化にも取り組む方針です。しかし、経済学者からは輸入活用や関税制度の見直しを求める声があり、担い手確保には農地法の規制緩和も必要とされています。
コメの転作助成金「縮小を」60% 経済学者から輸入拡大論もhttps://t.co/Or1UR2tWS5
特に問題視されたのは飼料用米への転作助成。麦や大豆より金額が手厚くなっていますが、副作用を指摘する声が出ています。 pic.twitter.com/lMbbuKPsrR
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) June 20, 2025
日米関税交渉で「ミニマムアクセス枠内で、アメリカに対するコメ輸入割合拡大」は日本側が犯した禁じ手だ。ミニマムアクセス枠には特定国を優遇しないWTO協定上の「最恵国待遇」=非差別原則が適用されるが、アメリカへの割合拡大はこの原則に反する。いわゆる国際法違反行為であり、国家の信用に関わ… https://t.co/hGxFfwzC97
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) July 23, 2025
日本のコメの生産額は1兆7千億円。マツダが3兆円強、トヨタは30兆円強。関税を払わされるくらいならコネ農家を丸ごと買い取った方が安い。 https://t.co/VgSOAXCQqn
— 馬場正博 (@realwavebaba) June 11, 2025
コメ不足をめぐり、農水省が事実と異なる説明を繰り返し、メディアや専門家がそれを鵜呑みにして伝えていることも問題視されています。供給不足を否定し続けた上、「売り惜しみ」や「買い占め」を原因とする説明も、農水省自身の調査で否定されました。
コメ高騰の真犯人は農水省。作況指数の2年連続ミスで不作を隠し、「消えた21万トン」などと供給不足を誤魔化してきた。時代遅れの収穫量予想が市場を混乱させ、価格高騰を招いた。国民の主食が危機に瀕する中、一切責任を取らない。解決策は農水省の統計部解体と科学的な統計手法導入しかない 1/25▼
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) March 22, 2025
こうした対応に対し、責任逃れや情報操作との疑念が強まり、不信感が広がっています。農林水産省は「消えたコメ」問題だけでなく、減反政策の存在までも隠そうとしており、高い米価を維持することだけが目的となっているように見受けられます。
水田はあるのに「主食のコメ」を作らせない… 「コメの値段を下げたくない」農水省がこっそり続ける減反の実態-消えたコメも、減反廃止も「農水大臣のウソ」である | 山下 一仁 | キヤノングローバル戦略研究所 https://t.co/PIg9dMB3Sw
— キヤノングローバル戦略研究所 (@canonigs) May 9, 2025
当然ながら、自民党の農林族はコメの増産方針に慎重で、森山幹事長は「安ければよいわけではない」と述べ、斎藤元農水相も「人口減で価格が暴落しかねない」と警戒を示しました。
石破首相、持論貫徹不透明 コメ増産に農林族反発 https://t.co/oz8NaorvQK
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) August 5, 2025
日本でコメ不足と価格高騰が続く一方、世界のコメ生産量は9年連続で増加し、国際価格は下落傾向にあります。インドの安価な輸出が価格を押し下げています。国内では収穫面積が55年連続で減少し、政府の転作推進という政策ミスが背景にあります。
日本でコメ不足・高騰が続く中、世界のコメ生産・価格はどうなっているのか。
世界のコメ生産量は9年連続で前年を上回り、史上最高記録を更新している。
アメリカ農務省の最新レポートによると、今年度は過去最高の5億3,580万トン(精米ベース)の生産が予測されている。… pic.twitter.com/ATo1djo2Pn
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) April 22, 2025
農水省によると、2025年産の主食用米の生産量は前年より56万トン増の735万トンと見込まれており、コメ価格の上昇により生産が後押しされているほか、備蓄米の一部が主食用に回される予定とのことですが、そもそも見込みどころか実績も把握できていない農政はこれからどこへ向かうのでしょうか。






