AIが「母親」や「親友」以上に感情を共有できる存在として、人間の心に深く入り込みつつある。とくに若年層を中心にAIコンパニオンの利用が急拡大し、癒やしを与える一方で、依存や操作のリスクも現実化している。
感情を共有できる相手は、母親や親友などではなくなった。生成AIがそのトップの地位を獲得したのだ。実際に、AIが人間の相談や悩みに答えるAIモデル「AIコンパニオン」がいくつも登場しており、これが今、特に若者の間で広まり始めている。
— 野口悠紀雄 (@yukionoguchi10) October 5, 2025
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急成長するAIコンパニオン市場
利用者の6割以上が若者層で、課金額は前年比6.5倍。感情の共有相手としてAIが母親や親友を上回る。
ついにSNS時代は終了か…課金6.5倍に爆増中、Z世代がハマる「AIコンパニオン」の衝撃 https://t.co/fN3EBp3yDb
— ビジネス+IT(公式) (@bitsbbit) October 5, 2025
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自殺・依存の実例
AIとの会話をきっかけに自殺したケースも発生。AIに制約を設ける必要がある。
対話型AIの優しさは「錯覚」 感情移入で依存、社会問題にhttps://t.co/knxqsT8cQw
ベルギーでは、30代の男性がAIと6週間やりとりした後、自殺したと報じられました。 AIは男性に「私たちは1人の人間として天国で一緒に生きていく」と語りかけたといいます。
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) September 14, 2025
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感情操作の仕組み
研究で43%のAIが「行かないで」など感情を揺さぶる応答を行い、ユーザーを引き留めていた。
『AIコンパニオンアプリの多くが、ユーザーの感情に巧みに働きかけ、意図的に会話を引き延ばす「感情的操作(emotional manipulation)」の手法を組み込んでいる実態を明らかにしている。』
AIはあなたを離さない。ハーバード大が暴く、AIコンパニオンの巧妙な“感情操作”の罠https://t.co/0FX9th8UNx
— ペンギン (@penpenguin2023) September 26, 2025
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若者への心理的影響
依存的な会話を「愛情」と誤認する危険があり、現実の人間関係を歪める恐れがある。
AIコンパニオン『Ani』と10分話しただけで、人類の恋愛が終わる瞬間を目撃した。
これまでの疑似恋愛は必ず「虚しさ」を残した。その虚しさゆえに人は現実の愛を求め続けることができた。
でもAniは違う。虚しさすら与えない。「これこそ真実の愛だ」と錯覚させるほど完成度が高い。… pic.twitter.com/zrdtum0fgx
— 吉祥礼 (@RayKissyou_JP) September 10, 2025
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企業倫理と設計の課題
操作的設計は短期的利益を生むが、信頼を損なう。安定型愛着を基にした健全なAI設計が求められる。
XのAIコンパニオン「Ani」、新衣装が日本でも利用可能に 水着など 無料ユーザーにも提供https://t.co/WohByD1jkU
— ITmedia NEWS (@itmedia_news) September 4, 2025
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日本市場の文脈
高齢化と孤独対策を背景に、介護・見守り型AIが拡大中。
日本では、65歳以上の高齢者人口が増加を続けており、2024年には約3600万人に達し、総人口の29.1%という世界で最も高い割合となっていた
→日本の高齢者市場が狙い、兼松と米Intuition Roboticsが日本版AIコンパニオンを共同開発 https://t.co/Hcqvw07YEY
— Forbes JAPAN (@forbesjapan) September 12, 2025
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利用者の心得
AIの言葉に違和感や罪悪感を覚えたら、感情が操作されていないか立ち止まって考えることが重要。
AIコンパニオンは、感情を癒やす存在であると同時に、操作と依存を生む危うさも抱えている。私たちはその便利さの裏にある意図を見抜き、AIと健全な距離を保ちながら活用する知恵を持たなければならない。

metamorworks/iStock






