鈴木憲和農水相「コメは市場に任せる」と言いつつ減産も辞さない農水官僚しぐさ

元農水省官僚である鈴木憲和氏が農林水産大臣に就任した。就任会見で示された米(コメ)政策を巡り、消費者負担の増大や食料安全保障の観点から批判が噴出している。

  • 「需要に応じた生産」が原則と明言。生産過剰を避けるため、増産ではなく状況次第で生産量を絞る方向を示した。
  • 米価について「価格はマーケットで決まるべき」「政府は価格にコミットしない」と発言。消費者からの価格抑制要望に対し、市場任せの姿勢を示した。
  • 備蓄米の放出について「価格高騰を理由とした放出は考えていない」「備蓄は供給が足りない時のため」と説明。供給過多・価格高止まり時の介入に否定的姿勢。
  • 2026年産主食用米の生産目安を約711万トン程度に減らす方向を示唆。現状の生産水準から縮小する意向を明らかにした。
  • 消費者支援策として「おこめ券(米クーポン)」の配布を検討。価格抑制ではなく支援券で対応する方針を示した。
  • 過去の失言や官僚時代の言動が掘り起こされ、「生産者優先・消費者軽視」という批判が目立ってきている。
  • 官僚出身として「米生産調整」「農協寄り」の姿勢を維持。輸出拡大や流通改革を強く打ち出しておらず、改革が遠のく懸念。
  • 食料安全保障の観点からは、「予測不能な需要・気候変動リスク」の下で減産方針を取ることは逆効果との指摘あり。

鈴木農水大臣は「需給適正化」「市場任せ」を軸とし、従来の増産・備蓄放出政策を転換する姿勢を示した。しかし、物価高・米価高騰が続く中、消費者の負担増や食料安全保障リスクを軽視しているとの批判が強まっている。今後は、生産計画の根拠、備蓄米の運用の透明性、消費者視点の価格安定策の提示などが問われることになる。

登庁する鈴木憲和農水大臣 農水省HPより