朝日新聞の「誤報」から発展してしまった日中関係の緊張が続くなか、在日本中国大使館が国連憲章の「敵国条項」を持ち出し、「日本を安保理の許可なく軍事攻撃できる」と主張する異例の投稿を行い、波紋が広がっている。高市早苗首相の国会答弁に反発する中国側の発信が相次ぎ、外交上の緊張が一段と高まっている。
「国際連合憲章」には「敵国条項」が設けられており、ドイツ・イタリア・日本などのファシズム/軍国主義国家が再び侵略政策に向けたいかなる行動を取った場合でも、中・仏・ソ・英・米など国連創設国は、安全保障理事会の許可を要することなく、直接軍事行動を取る権利を有すると規定している。 https://t.co/guSQoNYKOs
— 中華人民共和国駐日本国大使館 (@ChnEmbassy_jp) November 21, 2025
- 在日本中国大使館は21日、公式Xで国連憲章の「敵国条項」を引用し、「日本・ドイツ・イタリアなど旧ファシズム国家が再び侵略に向かう行動を取った場合、中国など創設国は安保理の許可なしに軍事行動を取る権利を有する」と投稿した。
- この発信は、高市首相が台湾有事に関し「場合によっては存立危機事態になり得る」と国会で答弁したことに強く反発する文脈で行われた。
- 中国大使館は高市首相を名指しで批判する投稿を続けており、今回も「軍国主義復活を示唆する発言だ」と断じ、日本側の姿勢を非難した。
- さらに在フィリピン中国大使館も、平和憲法を燃やす高市首相を描いた風刺漫画をXに投稿し、日本が「軍国主義へ回帰しようとしている」とする強い批判を展開した。
Japan’s rising calls for military expansion are worthy of vigilance from all countries that suffered the ravages of war — and recent remarks from its new leader only add to the concern.
Recently, Japanese Prime Minister Sanae Takaichi made reckless remarks on the Taiwan… pic.twitter.com/ls7K8b9XXj
— ChineseEmbassyManila (@Chinaembmanila) November 20, 2025
- 日本政府は、敵国条項は歴史的に残存しているだけで機能しておらず、国連加盟国がこれを根拠に軍事行動を取ることは認められていないとの立場を再確認している。
- 外交関係者の間では、中国側の攻撃的なSNS発信がエスカレートしており、台湾情勢を巡る日中の緊張が広がる可能性を指摘する声が出ている。
中国大使館が敵国条項を持ち出し、日本に対する軍事行動に言及するのは極めて異例だ。台湾有事を巡る高市首相の発言への反発が背景にあるとみられ、SNSを舞台とした中国の対日強硬姿勢が際立つ展開となった。今後、日中関係の緊張がさらに高まる可能性がある。

中華人民共和国駐日本国大使館Xより






