26日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、25日のトランプ米大統領が高市早苗首相との電話会談で、台湾有事をめぐる発言を抑えて中国を刺激しないよう求めたと報じた。米中通商交渉への悪影響を避けたい米国側の思惑が背景にあるとされ、高市発言が国際的にも敏感な問題として扱われていることが明らかになった。
こうした中、26日の党首討論では、野田代表が沈静化に動く一方、共産党の志位和夫議長や石破茂前首相は緊迫する安全保障環境の中で不必要な混乱を招く姿勢を見せている。
- 高市首相は政府の従来見解を維持
台湾の法的地位は「日本が認定する立場にない」と改めて確認し、講和条約で台湾に関する権利を放棄した点を説明した。 - 高市首相は台湾有事の「具体例」には踏み込まず、火消しを図る答弁
野田代表の再質問に対し「総合的に判断する」と述べ、挑発になりかねない踏み込みを避けた。 - 野田佳彦代表は「事実上の撤回」と述べ、日中関係の沈静化を企図か
討論後、「具体例を言わなくなったのは事実上の撤回」と発言。 - 共産党・志位議長は逆に「火に油」を注ぐ主張
志位議長は「撤回していない。今からでも撤回すべきだ」と強硬姿勢を取った。日中の緊張が高まる中で、日本側から協議の余地を狭める発言であり、外交的にも安全保障上も極めて非現実的な対応となった。 - 石破茂前首相も、政権批判を継続
「1972年以来の細心の外交」を強調し、高市政権を暗に批判。だが、このタイミングで政府の足を引っ張る言動は、安全保障環境が悪化する局面での政治家としての責任を欠くものと言わざるを得ない。 - 中国は日本政府の説明を「不十分」と非難し続ける
日本政府が「従来見解に沿っている」と示した答弁書に対し、中国外交部は「全く不十分」と反発を継続。国内の足並みの乱れが、相手国に付け入る隙を与えている形だ。 - トランプ大統領は電話会談で台湾有事発言の抑制求める
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は26日、トランプ米大統領が高市早苗首相との電話会談で、首相の「台湾有事」をめぐる発言を抑えるよう求めたと報じている。米国としては、現在進めている米中通商交渉への悪影響を避けたい思惑があるとみられる。
今回の党首討論では、野田佳彦代表は、元々が立民・岡田克也議員の質問から始まった混乱にもかかわらず、外交の沈静化を優先し、高市政権の「着地点づくり」を後押しした形となった。しかし、共産党の志位議長や石破前首相は、国内の足並みを乱し安全保障上の混乱を広げかねない発言を続けている。

党首討論での野田代表と高市首相 立憲民主党HPより






