上海で日本の音楽イベントが相次いで中止・制限され、日中の文化交流に深い影響が出ている。政治的緊張が背景にあるとみられる中で、浜崎あゆみのプロ意識あふれる対応や中国ファンの謝意が注目を集めた。文化を断つ動きと、人をつなぐ力の両面が浮き彫りになっている。
- 浜崎あゆみは29日の上海公演を前日に突然中止され、インスタで謝罪した。理由は明らかにせず「知識のない部分へ口出ししない」と述べた。
- それでも観客のいない东方体育中心で、200人が5日かけて作ったセットを使い、本番同様に1曲目からアンコールまで歌い切った。その姿が写真・動画で広まり、称賛されている。
- 中国のファンからは「政治問題で迷惑をかけた」「日本の友人に中国人も親切だと伝えてほしい」といった声が多く寄せられた。
- 同日開催の「バンダイナムコフェスティバル2025」では、大槻マキのステージが歌唱中に突然停止され、スタッフに退出を促される映像がSNSで拡散。「侮辱だ」と中国側でも批判が出た。
- ももいろクローバーZらの出演も中止され、日本アニメ関連のイベントや映画も相次いで延期・中止に。中国側が文化交流を狭めているとの見方が強まっている。
- 日本行きフライトの激減など、人的交流の縮小も進み、「親日派や知日派を減らす世論操作ではないか」という懸念が指摘されている。
- SNS上では日本人を装ったアカウントの急増や反日投稿が広がり、ネット空間の“治安悪化”が深刻化している。
- 中国政府の強硬姿勢は日本国内の反発を招き、高市首相の支持率上昇にもつながっているとの見方がある。一方で高市の発言をめぐる緊張が中国側を刺激している面もある。
- 中国の音楽関係者からは「ここでは公演中止は日常。怒りすぎる方が理解しにくい」との冷ややかな声も出ている。
一連の中止騒動は、政治の影響が文化や交流の領域にまで及んでいる現実を示した。その中で、浜崎あゆみの姿勢は「文化は人をつなぐ」という普遍的な価値を改めて印象づけた。