中国で音楽イベントが続々中止される中、イオンは新大型店を無事開業

中国・上海では日本の音楽イベントが相次いで突然中止され、現地のファンから強い不満が噴出している。一方で、日本企業のイオンは中国内陸部で大型モールを堂々と開業し、多くの客で賑わった。日中関係が緊張する中、文化イベントとビジネス展開の落差が際立ち、現地での日本への扱いの「選別」がより鮮明になっている。

イオンモール長沙湘江新区 イオンモールHPより

  • 上海では、日本の音楽イベントのキャンセルが相次ぎ、中国のファンからも「無礼」「極端」といった疑問の声があがっている。
  • 11月28日、歌手の大槻マキさんがアニメ「ONE PIECE」の主題歌を歌唱中に、突如として照明と音響が遮断された。スタッフが大槻さんをステージから慌ただしく退場させる場面も目撃され、会場に困惑が広がった。
  • 翌29日には、浜崎あゆみさんの上海公演が主催者によって「不可抗力」を理由に中止された。浜崎さんは観客不在の1万4000人規模スタジアムでパフォーマンスをやり遂げ、その姿がSNSで大きな反響を呼んだ。
  • 一方で、日本企業のイオンは27日、湖南省長沙市で大規模ショッピングモールを開業した。開業初日は混乱もなく、多くの地元客が買い物や飲食を楽しみ、現地政府の協力も十分に得られたとみられる。
  • イオンは中国本土で数十店舗を展開しており、長沙の新店舗も「重要エリア」と位置付けている。中国市場を重視する姿勢は一貫しており、内陸部の需要取り込みを強化する方針だ。
  • この状況の中で、高市首相への「存立危機事態」答弁を執拗に追及してきた立憲民主党の岡田克也氏に対し、「中国市場との利害関係が質問姿勢に影響しているのではないか」との憶測が強まっている。
  • 岡田氏の実家が経営するイオングループは、中国全土で事業を積極展開している。中国側にとって岡田氏は「高市政権の安全保障方針を引き出す存在」として都合が良いとみられるとの見方もある。

上海での日本音楽イベント中止と、湖南省でのイオンモール開業。文化イベントでは日本を排除しながら、日系大手小売企業の経済活動は歓迎されるという「選択的な扱い」が際立ち、日中関係の複雑さを浮き彫りにしている。