12月になりました。紅葉はまだ今月上旬ごろまで見られるのでしょうが、ぼちぼち見納めのところも多くなってきます。わたしは紅葉見物が大好きなので、この時期は東へ西へ大忙しです。
今回やってきたのは京都。夕方の到着です。この後予定もあってすぐ大阪に行かないといけないのですが、京都駅の近くにちょうどいい紅葉が美しいスポットがあるのでそこに行くことにします。
それは、東寺。京都駅から近鉄で一駅、東寺駅からが近いのですが、京都駅から歩いても十分行けます。
東寺は弘仁14年(823年)、空海が開いた真言宗の総本山。平安京の南の入り口、羅城門の東にあったためその名がつきました。西寺もあったのですが火災に遭うなど災いもあって廃寺となり今その姿はありません。
東寺では紅葉の時期にこのようにライトアップされ、寺と紅葉の光の融合の美を多くの人が見ることができるよう、夜間特別拝観を実施しています。通常は18時からの拝観開始なのですが、わたしはJR東海の先行拝観ツアーに申し込んだため、17時台から入場することができました。18時からの拝観よりも500円ほど高いのですが、一般入場は入場待ちの行列が数百メートルに及び、寺内も大混雑になってゆっくり見られないので先行拝観が大正解でした。
平成18年に三重県から移植されたシダレザクラの不二桜。今はもちろん枝だけですが、それでもライトアップされるとどこか厳かに見えます。
ライトアップされる講堂。
こちらは金堂。
現在の建物は江戸時代初期に豊臣秀吉が寄進したものです。
講堂、金堂もライトアップされています。こちらの方でも通常は見ることができない夜の薬師三尊像、立体曼荼羅の姿を見ることができます。
庭園の池に浮かぶ紅葉の姿も美しい。風もあまりないので池の水面に紅葉の影がくっきりと浮かび上がります。
東寺のシンボル、五重塔もライトアップ。新幹線からも見ることができる五重塔は空海がこの寺を開いたときにはありませんでした。9世紀末に建てられた後4回火事で焼けており、今ここにあるものは寛永21年(1644年)に徳川家光公の寄進で建てられたものです。それでも建ってから380年が経っています。金剛界四仏像と八大菩薩像が安置されていますが、特別な日以外はお目にかかることはできません。
紅葉のライトアップとともに。
ブロンズ像かと思ったら本物のアオサギでした。
だって全然動かないんだもん。
昼間の紅葉見物はたくさんしてきたのですが、夜の紅葉はあまり見ることがありませんでした。光に彩られた紅の景色もまた違った魅力があって美しいと思いました。
秋の東寺の夜の特別拝観は12月14日まで。写真だけじゃ伝えきれない夜に浮かび上がる古寺の紅の彩をぜひ見ていただきたいと思います。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2025年12月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。