中国人民解放軍の戦闘機が沖縄周辺の公海上空で航空自衛隊F15に対して断続的にレーダー照射を行った。これは一歩誤れば武力衝突に直結する極めて危険な行為であり、日中間の軍事的緊張は新たな局面に入った。日本政府は中国側に強く抗議しつつ、事態の背景にある「意図的なグレーゾーン戦略」の拡大に警戒を強めている。
- 中国海軍報道官は7日、空母「遼寧」の艦載機J15が宮古海峡以東で訓練中、日本の自衛隊機が「繰り返し接近し訓練を妨害した」と主張し、日本側の説明は「事実と一致しない」と否定している。
- これに対し日本の防衛省は同日未明、自衛隊F15が6日夕方、中国軍機から断続的なレーダー照射を受けた事実を迅速に公表した。
- 照射は2回にわたり発生し、空自機のセンサーが明確に探知した。小泉進次郎防衛相は「危険な行為」と深夜の会見で断じた。
- 高市早苗首相は記者団に対し、「今回の照射は安全な飛行に必要な範囲を超えた極めて危険な行為で残念だ」と述べ、中国側に強く抗議し、再発防止を申し入れたことを明らかにした。首相は「冷静かつ毅然と対応する」とし、周辺海空域の警戒監視に万全を期す方針を示した。
- 専門家らは「空対空でのレーダーロックオンは発射直前の行為に相当し、偶然やミスでは説明できない」と指摘する。
- 公明党の斉藤鉄夫代表は「偶発的事案が大きな摩擦に発展しないよう、冷静な対応が必要だ」としつつも、緊張激化への懸念を示した。
今回のレーダー照射は、単なる飛行安全上のトラブルではなく、重大な挑発行為として受け止めるべき事案だ。中国は説明を変えつつ責任を回避する姿勢を示しているが、国際的合意を踏みにじる形でのレーダーロックオンは、明らかに「危険な軍事シグナル」と言える。日本政府は中国大使への厳重注意に加え、国連安保理での問題提起も視野に入れるべき段階に来ている。
高石首相 首相官邸HPより
