政府が介護保険サービス利用時の自己負担割合の見直しについて、年内決定を見送る方向で調整に入った。給付費の急増が続く中での先送り判断に対し、制度の持続可能性を疑問視する声も強まっている。
9割引きで利用している人が91.8%も。保険が成り立つはずない。最低でも全員3割にして、保険適用範囲の大幅な縮減が要る。
介護2割拡大決定見送りへ 医療負担増、高齢者に配慮https://t.co/L6FTB6P5qj
— 戯画兎 (@giga_frog) December 19, 2025
- 政府は、介護保険サービスの自己負担が原則1割となっている現行制度について、2割負担の対象拡大を年内に決定することを見送る方向で調整に入った。
- 判断は2026年以降に先送りされ、社会保障審議会の部会で意見書をまとめたうえで、年内に正式決定する見通しである。
- 見送りの背景には、公的医療保険制度でも高齢者負担増の改革が予定されており、生活への影響が過度にならないよう配慮したとの説明がある。
- 現在、介護サービス利用者の91.8%が自己負担1割で、事実上「9割引き」で介護サービスを利用している構造となっている。
- 2割負担となるのは単身年収280万円以上で全体の4.3%、年収340万円以上で3割負担となる人は3.9%にとどまる。
- 厚労省は、2割負担の所得基準を280万円から230万円に引き下げた場合、最大約35万人が新たに負担増となると試算していた。
- この見直しにより、介護給付費は最大約220億円抑制できるとされていたが、制度改正自体が先送りされる形となった。
- 介護給付費は自己負担、公費、40歳以上が支払う保険料で賄われており、高齢化の進行で保険料と税の負担は拡大を続けている。
- 利用者の大多数が低負担のまま制度を維持しようとする現状では、保険制度としての収支バランスが崩れ続けるとの指摘が出ている。
介護保険制度は、利用者の9割以上が1割負担という極めて手厚い設計のまま、給付拡大だけが進んできた。小幅な対象拡大すら見送る判断は、問題の先送りに過ぎない。制度を持続させるには、全員原則3割負担への転換や保険適用範囲の大幅な縮減など、抜本的な見直しが避けられない局面に来ている。

上野厚労相 厚生労働省HPより






