2025年の話題の一つといえば不正会計問題。その中でニデックの創業者、永守重信氏が同社の代表取締役を降りました。第三者委員会の報告が出る前の辞任にやや唐突感がありましたが、世の中の流れが氏の貫いてきたスタイルと相いれなくなった社会的変化を悟ったのかもしれません。直近では太陽光発電事業などを手掛けるAbalance社の第三者委員会が不正会計と結論付け、連続ストップ安になりました。今年は、というか今年も不正のオンパレード。温床の一つの可能性はほぼ単一民族の組織体にあると考えています。ではこれを改善する方法は、といえば案外、AI君が監査人をしたらどうでしょうかね?日本では相当有効な手段だと思います。
では今週のつぶやきをお送りいたします。
金利が上がってよいこと
日銀が金利引き上げ決定がこれほど酷いリーク状態になっているのは問題だと思います。もちろん、日銀が政策決定会合の発表による衝撃を和らげたいという理由もあるし、場合によってはそうつぶやくことで市場の反応のチェックをしていることもあるでしょう。植田総裁は就任時初期から同じ手法を使っており、今回に至っては多くの報道が政策決定会合をやる前から「確報状態」となっていた点はどんなものかと思います。

植田和男日銀総裁 日本銀行HPより
それはさておき、金利を上げることに一部のインフルエンサーはやんや反対論を述べていますが、私から見れば今、上げないと日本は経済の底力となるべく筋力や耐力が衰え切ってしまい、ビジネスの国際競争力を失い、経済低迷がさらに悪化するとみています。私は金利にはもう一つの意味があると考えています。それはビジネスの健全性を維持するハードルであります。もしも金利がほとんどない状態ならだれでも多額の資金を導入してビジネスを行い、それがレッドオーシャン化を引き起こし、不当なまでの価格競争激化となるマイナス効果が出てしまうのです。
同様に住宅ローンもある程度ハードルを上げることで購入者層の財務の健全性を問うことが出来るのです。誰でも買えるような状態がサブプライム問題を引き起こしたのはご記憶にあるかと思います。一方、デベロッパーは住宅が売れないと嘆くかもしれませんが、人口がどんどん減り、積極的な移民政策もしていない日本が住宅を作り過ぎているのは自明なのです。よって業者を減らす必要もあるわけです。中立金利程度までの適度な上昇は一時的に否定的な意見も出やすいのですが、長期的に見ればそれが日本経済の健全性に繋がると考えています。
トランプ氏のベネズエラ責め
トランプ氏がベネズエラを本格的に締め上げ始めており、政権転覆を狙っているように見えます。表向きは麻薬を不法にアメリカに持ち込んだという理由ですが、これは話半分で攻め入る口実に過ぎないと思います。2003年にジョージブッシュ(子)大統領がイラクに大量破壊兵器があるとして攻め込んだものの実際には同国の石油利権が目的だったとされます。そしてその後、大量破壊兵器は見つからなかったのです。ではベネズエラが麻薬をどれだけアメリカに輸出しているのか、これは実態が分からないのですが、ベネズエラは麻薬の主要産地ではないし、フェンタミルもベネズエラ経由とは思えないのです。
ここから類推するとトランプ氏はブッシュ(子)氏と同じような道のりをたどるのでしょうか?ちなみにイラク戦争開始直後、ブッシュ氏の支持率はそれまでの50%台後半から70%を超えましたが、瞬く間に下がり始め、政権末期には20%台半ばまで落ちています。ベネズエラは石油の埋蔵量は世界一とされる一方で石油掘削の技術も機器も足りず、実にもったいない状態が続きます。これは1999年にチャベス氏が政権を取り、石油産業を国有化したことで同国の経済は路頭に迷うような状態になったのです。
では、今回のトランプ氏の賭けですが、私は悪くないと思います。南米の玄関口である同国をしっかりアメリカが押えることで中国の影響が強くなりつつある南米にくさびを打ち込むことで南北アメリカ大陸の統一感が強化できるでしょう。またベネズエラ人を貧困のどん底に陥れたマドウロ大統領は許されるものではありません。ただ、ベネズエラにも軍があるわけで米軍と何らかのトラブルが生じるリスクは大いにある訳でトランプ氏の手腕が試されることになりそうです。
大人向けおもちゃ
書籍や関連グッズのイベント出店販売は私の大好きな仕事の一つです。それは顧客と店員である私の距離が異様に近いからです。なのでお客さんに私が声をかけやすい、囁きやすい、客側も聞きやすいという双方向のコミュニケーションができやすいのです。店舗ビジネスだと敷居が高いのといかにも売り込まれるという意識が客側にあり、構えてしまうのですが、イベント出店販売なら客との距離は1メートルしかないのです。私が出店販売を始めた頃、アニメ同僚が「欲しい人は欲しいものが分かっているから声をかけるな」と言われたので黙っていたのです。でもそれじゃビジネスにならないことをすぐに覚りました。
店員はしゃべってなんぼ、会話から顧客の求めるものを探し出す重要な接点だと認識し、今ではしゃべるのが仕事になったので売っている商品知識も逆に上がりました。その中でずっと前から感じたのはアニメ関連本でも売れるアニメは大人が好むものオンリーなんです。例えばドラえもんは売れませんし、仕入れもしません。鬼滅の刃とか呪術廻戦は大人が喜んで買うし、イベント出店時にいた向かいの「刀屋」では一本3万円ぐらいする刀もそこそこ売れています。エバンゲリオンは往年の定番、カードキャプターさくらも売れますが、逆立ちしてもサリーちゃんとかテクマクマヤコンのアッコちゃんにはならないのです。このあたりを肌感覚で知るのは非常に興味深いのです。
で、大人向けおもちゃの代表格がガンダムのプラモデル、ガンプラであります。私どもも少し仕入れていますが、正直、私はやりたくないです。理由は中途半端に揃えても専門店には勝てないからです。やるなら誰もやらないものが良いですね。もう流行り出して大分たちますが、トミカのミニカーは根強い人気。自分が昔乗っていた車のミニカーを全部集めるとかナイスですよね。私は鉄道模型もありだと思います。私が小さい頃、Nゲージつまり線路幅9ミリの模型をかなり集めていました。お気に入りはたまたま家のそばに会社があった関水金属製で、持った時の重量感といい、精密さといい、もしも私が大人向けおもちゃにもう一度凝るならこれだろうと思います。こういうオタク系の狭い興味の世界が今の流行であり、ここにターゲットできるビジネスはよほど器用ではないとできないです。挑戦し続けたいとは思いますけどね。
後記
北米のビジネスは実質、今日が最後です。来週はカレンダー的に24日(水曜日)が半ドン、25日がクリスマスでトランプ氏は24-26日まで大統領令で役人を休みにすると今になって決めました。今週末が実質クリスマス前最後の駆け込みショッピング。その翌週も正月休みがあるので年明けは北米も5日(月曜日)からしか実態として動かないことになります。いまから丸々2週間、ビジネスは絶えますが、私は何故か、人材不足の折、グループホームでクリスマスと正月は食事係だそうです。(前回もそうだったのでオーナーご奉仕の日として定着するのでしょう。)基本的にコキを使われるようになっております。腹けど、働けど、働けど楽にはならず…。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年12月20日の記事より転載させていただきました。





