金利生活とは、資産を保有し、その資産が生み出す利息、配当金、賃料等によって、生計を立てることである。要は、自分は働かず、資産に働かせて、遊んで暮らす理想的な生活である。さて、金利生活においては、資産額を決めて、資産が生み出す収益の範囲内で消費するのか、逆に、消費額を決めて、その金額を生みだすのに十分なだけ、資産を形成する、もしくは、巧みに運用するのか。

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ところで、財団は、どこの国でも、現金等の資産が寄付されて創立されるもので、寄付されたものは株式会社の資本金と同じことだから、それ自体の費消は想定されておらず、費消されるのは資産が生み出す果実だけである。そして、財団には設立目的があって、その果実は設立目的にそって支出されるわけである。
逆にいえば、財団の設立目的にそった支出が永続的に可能であるためには、恒久的な財源をもたねばならず、その恒久財源として、資産の生む果実が位置付けられているのである。なぜなら、資産を取り崩して支出すれば、資産がなくなったところで事業を打ち切るほかなく、永続性が維持できないからである。
この財団の構造は個人の金利生活者と全く同じであって、金利生活者にして、資産を費消してしまえば、元も子もない、即ち元本がなくなれば利息もなくなるわけで、生活できなくなってしまうように、財団にして、資産を費消してしまえば、活動ができなくなってしまうのである。
しかし、元本を維持していても、運用収益が減少すれば収入は減ってしまう。例えば、債券等の確定金利の投資対象で金利生活をしているとき、金利が半分になれば、金利収入は半分になる。だからといって、生活上の支出を半分にすればいいというわけにはいかないし、特に、財団の場合、事業の継続が社会的責務になっているので、事業支出を減らすことはできない。
そこで、対策は二つしかない。第一は、元本を二倍にすることだが、多くの場合、元本を増やすというのは現実的ではない。第二は、利息配当金収入の源泉を拡大し多様化することであって、いうまでもなく、その努力から、投資の高度な技術が生じたのである。ならば、金利生活は、遊んで暮らす楽なことではなくて、真剣に難しい資産管理をすることなのである。
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森本 紀行
HCアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
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